2013 Fiscal Year Research-status Report
歯原性上皮の腫瘍化における骨内微小環境と細胞分解系制御の相関
Project/Area Number |
24592826
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
熊本 裕行 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (70215028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 康宏 東北大学, 災害科学国際研究所, 講師 (50451521)
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Keywords | 歯原性腫瘍 / 腫瘍化 / 骨内進展 |
Research Abstract |
歯原性上皮の骨内微小環境での腫瘍化や進展における細胞分解系制御因子の影響を解明するため、オートファジー関連分子について検索した。 1. 方法:エナメル上皮腫64例(初発49例、再発20例;充実型28例、単嚢胞型11例を含む)と対照の歯嚢9例を用い、ATG7、LC3、p62の発現・局在について免疫組織化学により解析した。 2. 結果:ATG7、LC3、p62は、主として歯原性上皮性細胞に発現がみられた。基底膜近傍の細胞で中央部の細胞より強い発現がみられた。ATG7は、エナメル上皮腫で歯嚢より有意に高く発現した。また、ATG7、LC3、p62の発現は、単嚢胞型エナメル上皮腫で充実性エナメル上皮腫より有意に高かった。顆粒細胞型エナメル上皮腫において、顆粒を有する腫瘍細胞でのこれらのオートファジー関連分子の発現は顕著であった。さらに、LC3とp62の発現は、再発症例において初発症例より有意に低かった。 3. 考察:歯原性組織におけるオートファジーは腫瘍発生による骨内微小環境の変化に影響されることが示唆された。これらに関わる分子制御機構は、腫瘍組織の組織構築や細胞分化とも関わり、予後の判定因子となり得る可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯原性腫瘍の発症における骨内微小環境内の変化を示す因子として、オートファジー制御分子の様々な変化を見出し、興味深い結果と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
歯原性腫瘍の骨内微小環境での細胞分解制御に関わるユビキチン・プロテアソーム系分子や骨内進展に関わるシグナル伝達分子について、種々の検索を進めている。また、腫瘍発生や腫瘍細胞分化に関わる分子の網羅的解析についても予備実験を進めている。
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