2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔衛生指標による動脈硬化および骨粗鬆症性椎体骨折リスクの推定に関する研究
Project/Area Number |
24592849
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
田口 明 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70243582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉成 伸夫 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20231699)
細井 孝之 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 臨床研究推進部, 部長 (40240709)
東 幸仁 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (40346490)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨折 / パノラマX線写真 / オッズ比 / 大腿骨 / 動脈硬化 / 頚部石灰化 |
Research Abstract |
25年度はまず、パノラマX線写真から得られる骨粗鬆症および動脈硬化スクリーニング指標の妥当性について、病院コホートを形成し検証を行った。松本歯科大学病院を2007~2012年に受診し、歯科治療のためパノラマX線写真を撮影した50歳以上の患者1195名に対して、骨粗鬆症を初めとする種々の全身疾患や栄養摂取状況、生活習慣に関する質問表と質問に関する同意書を送付し、回収を行った。本研究は松本歯科大学倫理委員会の承認を受けて行われた。書類を送付した全ての患者のパノラマX線写真について、経験年数24年の歯科放射線専門医が骨粗鬆症スクリーニングの皮質骨形態指標をこれまでの報告に従い、3型(1型:正常、2型:軽度~中等度粗鬆、3型:高度粗鬆)に分類した。また動脈硬化の指標となるパノラマX線写真上の総頚動脈石灰化所見について、上述の放射線専門医が「あり、なし」を判定した。骨粗鬆症診断歴(未骨折症例)および大腿骨骨折歴を各々独立変数として、関連因子を補正因子として、二項ロジステイック解析により、骨粗鬆症スクリーニング指標との関係を評価した。これらの検討から、3型分類の高度粗鬆において骨粗鬆症診断歴のリスクが有意に高くなることが示された。大腿骨骨折歴との関連は見られなかった。動脈硬化指標については、骨粗鬆症診断歴との有意な関連が示された。本年度は被験者数をさらに1114名増やして最終分析を行う。現在すでに約1000名のデータの集計が終了した。 これとは独立して行っていた口腔衛生指標のうち歯周病の指標とラクナ梗塞との関連について110名の被験者について検討を行い(松本歯科大学倫理委員会承認済み)、世界で初めて両者に関連があることを証明した(Gerontology論文掲載)。ラクナ梗塞は痴呆のリスク因子であることから、痴呆のリスク推定に使用できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度に収集したデータから口腔衛生指標と骨粗鬆症および動脈硬化との関連を示唆する有用な知見が多く得られた。最終年度はこれまでの被験者を2倍にして、統計学的パワーを十分にして結果を出す予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた有用な口腔衛生指標は、歯周病検査指標、パノラマエックス線写真の骨粗鬆症スクリーニング指標およびパノラマエックス線写真の頚動脈分岐部石灰化指標である。これまではこれらの指標を単独に解析してきたが、最終年度では統合した解析を行い、将来的な自動スクリーニングシステムの基礎データとする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者の1名(細井孝之)が別施設へ異動し、そこでは科学研究費申請はできなかったため研究分担者からは外れることになり、未使用の30万円が返還されたため、使用予定額より30万前後多くなってしまったため。 海外での学会発表を1つ新しく予定(米国骨代謝学会)し、その旅費として使用する。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Poor oral health behavior, decreased frequency of tooth brushing, is associated with endothelial dysfunction.2014
Author(s)
Kajikawa M, Nakashima A, Maruhashi T, Iwamoto Y, Iwamoto A, Matsumoto T, Hidaka T, Kihara Y, Chayama K, Goto C, Taguchi A, Noma K, Higashi Y
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Journal Title
Circ J
Volume: 25
Pages: 950-954
Peer Reviewed
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