2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔の前癌病変を規定する遺伝子の検索と診断用抗体の作成:ラットからヒトへ
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24592850
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
田沼 順一 朝日大学, 歯学部, 教授 (20305139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永山 元彦 朝日大学, 歯学部, 教授 (50298436)
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Keywords | 前癌病変 / 舌癌 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
口腔癌の前癌病変および境界病変における遺伝子変異と組織型との相関を明らかにし、病理組織診断の診断基準や予後の指標となる新たなマーカーを見出して、上皮異形成や上皮内癌など、外科医や病理医が日常苦慮する症例の客観的な診断基準を確立を目指している。 (1) 舌がんモデル動物を用いて、前癌病変に関連する遺伝子の選抜と機能解析を行っている。 (2) 選抜された遺伝子(今回の研究は予備実験で見出した細胞増殖に関連するRNA結合タンパク質hnRNP K)による、前癌病変の病理組織や血清の腫瘍マーカーになる抗体の開発中である。 我々が既に有力な前癌病変の候補遺伝子とした、細胞増殖に関連するRNA結合タンパク質hnRNP K遺伝子に絞った研究を優先し、前癌病変に対する腫瘍マーカー作成とした実験結果を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有力な遺伝子として選抜された遺伝子hnRNPKを、ヒトの病理組織標本や細胞診を用いて、免疫染色やリアルタイムPCRの発現解析を行っている。現在までの結果では、細胞増殖マーカーki-67より、前癌病変では発現が極めてクリアな結果が見られる。同時にヒトの病理組織標本を用いた免疫染色(CK10,CK13,CK17,CK19,Ki-67)、レーザーマイクロダイセクションによる病変部組織の切除解析をして、腫瘍マーカーとなる抗体の開発へ移行する準備中である。 したがってこのような本研究計画から、前癌病変の基礎研究から臨床応用までの一貫した研究基盤を確立でき、診断・治療に大きく寄与する情報を提供するに違いないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究は、症例数を1000名ほどの大規模なものにして、我々が見いだした遺伝子hnRNPKの実用性を証明することを優先する予定である。また、hnRNPメチル化の免疫学的分析方法及び免疫学的分析試薬で、前癌病変を検出できる腫瘍マーカーの作成は、この分野の先駆者である海外研究協力者Dr.Dragani TAと開発する。
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