2014 Fiscal Year Annual Research Report
ファイトケミカルを用いた癌化学療法に伴う口内炎の新規治療法の確立
Project/Area Number |
24593013
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
吉野 文彦 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (20308307)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 口内炎 / ファイトケミカル / 活性酸素種 / 酸化ストレス / 化学療法 / 抗癌剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,これまで確立した抗癌剤 5-フルオロウラシル (5-FU)投与によるハムスターを用いた口内炎モデルに対し,有益な抗酸化効果が電子スピン共鳴法にて確認されたファイトケミカルの効果について検討を行った。とくに,ファイトケミカルとしては,活性酸素種であるスーパーオキシド,ヒドロキシルラジカルの両者に対して抗酸化効果を示したαグルコシルヘスペリジン(α-GH)を選択した。α-GHは,口内炎作成5日前より1.0 mg/mLを含む飲料水を作成し自由摂取させた。その後,口内炎を作成し経過観察した結果,非投与群と比較し,口内炎の最大面積を有意に低下した(P<0.05)。また,口内炎が最大となる実験開始4日目に,麻酔下にてハムスターを頚椎脱臼させ,その後口内炎潰瘍部を摘出し,活性酸素種による酸化ダメージの指標であるマロンジアルデヒド濃度をELISA法にて測定した結果,α-GH非投与群と比較し有意なマロンジアルデヒド濃度の低下を認めた(P<0.05)。加えて,α-GH投与による体重変化には有意な変化は認められなかった。これらの結果は,α-GHは5-FU投与により誘発される活性酸素種生成を介した口内炎の発症,ならびに増悪を有意に低下させるものであり,加えてα-GHはファイトケミカルであり,すでに食品に用いられている。従って,今後の臨床における抗癌剤による化学療法において,α-GHを併用することにより臨床レベルでの口内炎を緩和する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)