2013 Fiscal Year Research-status Report
affibodyを用いたセンチネルリンパ節転移細胞の蛍光イメージング
Project/Area Number |
24593040
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
土持 眞 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20095186)
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Keywords | センチネルリンパ節 / 蛍光イメージング / シンチグラフィ / 複合イメージング / 分子イメージング / 転移 / 核医学 |
Research Abstract |
Affibody molecule (6kDa), Anti-HER2 Imaging agentはIgG結合ドメインの一部を改変して作製したタンパク質ライブラリーからHER2タンパク質に特異的に結合するものをスクリーニングして得られたタンパク質小分子である。タンパク質小分子利用のリンパ節転移HER2発現細胞のイメージングを実現するために、まず、機能性シリカナノ粒子を使用してHER2発現細胞の特異的イメージングの可能性を検証した。機能性ナノ粒子はPAMAMがシリカナノ粒子表面にグラフトされたものである。これに抗HER2抗体を結合させ、蛍光色素としてAlexa488あるいはAlexa555を結合させた。HER2高発現細胞 SK-BR-3(ヒト乳癌細胞)HER2低発現細胞MDA-MB-231 (ヒト乳癌細胞)のイメージングを本ナノ粒子プローブを作用させ共焦点レーザー顕微鏡で観察した。細胞レベルでイメージングが可能なことが分かった。またflow cytometryにてHER2高発現細胞 SK-BR-3の蛍光強度の増強が認められた。また、本課題研究で使用する近赤外蛍光色素ICGとしてアミノ基結合のICG [ICG-sulfo-OSu]を使用して細胞レベルでのICGイメージングも可能であることを確認した。HER2高発現細胞 SK-BR-3が蛍光を細胞膜表面で発することが分かったので、次にaffibodyの使用による蛍光発現を確認した。薄層クロマトグラフィにてその結合を確認した。この近赤外蛍光色素Affibodyプローブを用いてHER2高発現細胞 SK-BR-3,HER2低発現細胞MDA-MB-231の細胞イメージングを実施した。 SK-BR-3細胞で表面のHER2 リセプターに結合したと思われる蛍光をMDA-MB-231よりも強く認めた。免疫不全マウスを使用してHER2発現細胞を舌にxenograftした。まだ安定した頸部リンパ節転移の作成が不十分で動物におけるin vivo実験を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光顕微鏡の光源を水銀ランプからキセノン光源(カールツァイス社)に交換したことにより近赤外蛍光の観察が可能となった。affibodyの使用による特異的蛍光発現を確認するために下記のプローブ作成を行った。Affibody分子はC末端システイン残基を介して二量体を形成しているのでDTTを用いて還元させSH基を露出させた。SH基標識用のICG-maleimide(DOJINDO)を使用して近赤外蛍光色素Affibodyプローブを作成した。 薄層クロマトグラフィにてその結合を確認した。 参考文献 M. Ogawa, N. Kosaka, P. L. Choyke and H. Kobayashi, In vivo Molecular Imaging of Cancer with a Quenching Near-Infrared Fluorescent Probe Using Conjuates of Monoclonal Antibodies and Indocyanine Green, Cancer Res., 2009, 69 (4), 1268. この近赤外蛍光色素Affibodyプローブを用いてHER2高発現細胞 SK-BR-3(ヒト乳癌細胞adenocarcinoma)HER2低発現細胞MDA-MB-231 (ヒト乳癌細胞adenocarcinoma)の細胞イメージングを実施した。HER2高発現細胞 SK-BR-3細胞で表面のHER2 リセプターに結合したと思われる蛍光をHER2低発現細胞MDA-MB-231 (ヒト乳癌細胞adenocarcinoma)よりも強く認めた。Affibody 蛍光結合の条件設定を行うことが出来た。実験動物専用ガス麻酔システム(anesthesia/SF-B01,イソフルラン専用)を導入することができたので免疫不全マウスにて頸部リンパ節転移実験が容易となった。BALB/c/Crlj-nu/nu, female, 5week ヌードマウスを使用してHER2発現細胞を舌にxenograftした。まだ安定した頸部リンパ節転移の作成が不十分で動物におけるin vivo実験を継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物専用ガス麻酔システム導入により今後実験動物の個体数を増加させて安定した実験遂行状況にして行く。昨年度と同様に下記実施して行く。1)BALB/c/Crlj-nu/nuマウスに安定した頸部リンパ節転移を作成する。2)摘出センチネルリンパ節オートラジオグラフィによるRIの局在。3)オートラジオグラフィ:フルオロ・イメージアナライザーFLA2000(富士写真フィルム社)高精細イメージングプレート(IP)BAS-SR2040(富士写真フィルム社)を用いる。4)センチネルリンパ節RI集積量の定量測定:定量測定ではオートウェルガンマシステムARC-370M(アロカ)を用いる。RI集積量の定量測定。5)免疫組織染色施行病理組織所見の解析。6)倒立顕微鏡によるセンチネルリンパ節内転移細胞(EGFR2発現)の近赤外蛍光観察。近赤外蛍光色素はIRDye 680RD Maleimide (LI-COR,エムエスシステムズ) も使用してLI-COR イメージャーで画像化する。7)免疫不全マウスのシンチグラフィは高性能の小型半導体ガンマカメラを使用してイメージングを行なう。8)免疫組織染色施行病理組織所見の解析。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
免疫不全マウスの舌への移植腫瘍による頸部転移の形成が不確定で、動物実験の遂行に遅延が遅れたため。 免疫不全マウスの購入。
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