2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
弦巻 立 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10345522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 博之 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20547575)
瀬尾 憲司 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40242440)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経ペプチド / 末梢神経障害 |
Research Abstract |
本研究計画では、1、痛覚伝導系において(末梢神経節~視床まで)存在するNPYと受容体。2、末梢神経損傷と精神的ストレスによるNPY発現と機能の変化。を中心に行うこととしており、24年度では、三叉神経節におけるNPYならびにNPY受容体の発現と、末梢神経損傷モデルにおけるNPY受容体発現変化をmRNAレベルで解析した。 三叉神経節におけるNPYおよびNPY受容体発現では、NPY、Y1、Y2、Y5受容体のmRNA発現が認められた。ただし、Y4受容体mRNAは発現が不安定であった。これらの結果を踏まえてラットの下歯槽神経を切断した末梢神経損傷モデルにおいて、発現が認められたNPYと3つの受容体サブタイプについて検討を行ったところ、末梢神経損傷モデルにおいては、NPYならびにY2受容体、Y5受容体のmRNA発現の変化が認められる傾向にあった。 具体的にはNPYmRNAは切断モデルで発現増加傾向、Y2受容体mRNAは発現の減少傾向、Y5受容体は発現の増加傾向がいずれも認められた。 これらの結果から、三叉神経節でNPYおよびNPY受容体が確かに存在し、末梢神経損傷モデルで発現の変化が認められる傾向にあることから、NPYは末梢神経損傷により、なんらかの生理・病理学的変化に関与していることが示唆された。また、NPYのみならず受容体のmRNA発現変化は、NPYの神経損傷時における生理学的機構をより繊細かつ著名に変化させる可能性があることを示唆していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度は動物実験施設の改修ならびに、当病院外来の移転があり、当初の予定より研究が進まなかった。免疫組織化学の研究ができなかったため、次年度以降にその予算と予定を繰り越すこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
抑うつと痛みにNPYが三叉神経でどうかかわっているのかを明らかにするため、ストレスモデルラットを作成する。これはストレス感受性が高いと報告のあるWistar Kyoto(WKY)ラットを用いて行う。長期間のストレスに合致するようなモデルとするため、拘束ストレス、強制水泳を行い行動変化を観察してストレスを与える期間を決定する。ストレスモデルラットにおけるNPYならびに受容体の発現変化をmRNAレベルで行う。 また、24年度行うことができなかった中枢における免疫組織化学の検討をおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は動物施設の改修工事、当病院外来の移転があり、時間的、空間的に実験環境が整わなかったため、免疫組織化学の検討を繰り越すこととなった(抗体の費用などを勘案している)。次年度では免疫組織化学の検討を行い、mRNAレベルでの発現変化が、タンパクレベルでも変化していることを検討する。
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Research Products
(1 results)