Research Abstract |
平成24年度研究計画にしたがい、骨内膜細胞および脂肪由来細胞を採取し、培養ののち、フローサイトメトリーにて表面膜抗原の解析を解析した。さらに申請者らが開発した貫通孔をもつハニカムβ-TCPを用いて骨内微小環境を再現し、間葉系幹細胞をこのハニカムβ-TCPへ填入しマウスへの移植実験をおこなった。 具体的には、骨内膜細胞および脂肪由来細胞からCD34+,c-Kit+,Sca1+細胞をcell sorting systemにより分取しさらに得られた細胞のCD29, CD34, CD44, CD45, CD90, CD105, CD117の発現を確認した。その後、造血幹細胞としてCD3e, CD11b, CD45R/B220, Ly-76, Gr-1の発現を確認した。計画にしたがい、骨系前駆細胞への分化を確認しさらに当初に予定に追加して脂肪細胞への分化を確認した。 骨髄から採取した細胞、皮質骨から採取した細胞、脂肪から採取した細胞を比較した。 表面膜抗原の発現のしかたについては、われわれがこれまで行ってきた方法である、CD3e-, CD11b-, CD45R/B220-, Ly-76-, Gr-1-の細胞を、basic-FGFを添加したMEM培地で継代したものでは細胞の由来にかかわらず、CD34, c-Kit, Sca1, CD29, CD34, CD44, CD45, CD90, CD105, CD117発現に相違がなかった。一方移植実験ではハニカムβ-TCPの300μmの貫通孔のサイズでは、間葉系幹細胞が貫通孔にうまく入り込まず細胞の填入に問題があることがわかった。顆粒状態のβ-TCPを用いた、移植実験では間葉系幹細胞が顆粒の間にうまく入り込み、骨形成量の比較では圧倒的に顆粒状β-TCPの方が有利であった。
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