2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24593065
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今村 佳樹 日本大学, 歯学部, 教授 (90176503)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 明子 日本大学, 歯学部, 准教授 (10434078)
篠崎 貴弘 日本大学, 歯学部, 助教 (50339230)
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 教授 (60160115)
小池 一喜 日本大学, 歯学部, 准教授 (70096808)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | バーニングマウス症候群 / fMRI / 中枢 / 疼痛修飾機構 / 鼓索神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
平均年齢と性(女性)の一致した健康成人16名とBMS患者16名を用いて機能核磁気共鳴画像(fMRI)によって脳活動の部位と脳灰白質の体積を検討した。侵害刺激に対する反応では,BMS患者の脳活動部位は,健康対照群に比べて小さく,口唇刺激時の脳活動は,手掌刺激時に比べて弱かった。これ等の脳活動部位は,島,前帯状回,前頭前野,運動野等であり,痛みの認知,情動,修飾に関わる部位に相当していた。侵害刺激に対する脳活動を見た結果では,刺激の前半に比べ,後半で前述の部位において脳活動は亢進しており,健康対照群とBMS群の比較では,手掌刺激時には両軍艦の変化には大きな差異は見られなかったが,特に口唇刺激時にBMS群での脳活動の亢進が顕著であった。このことは,BMS患者において,特に口腔からの侵害刺激によって時間的加重が強く生じていることを意味している。すなわち,BMS患者では,口唇からの侵害刺激を抑制する中枢の疼痛修飾機構がうまく働いていないことを示唆している。次にvoxwl based morphometry(VBM)を用いてBMS患者と健康対照の脳灰白質の大きさを比較してみると,BMS患者において島,前頭前野,前運動野の灰白質に,明らかな体積の減少が認められた。すなわち,前述の口唇に侵害刺激を加えた際の活動の亢進部位に一致して灰白質の委縮が認められたことになる。これ等の部位は,疼痛の認知,情動,修飾を行っている部位であり,BMS患者における中枢の疼痛修飾機構の変調が生じていることの一つの所見と考えられた。また,鼓索神経を傷害したラットモデルにおいては,延髄三叉神経脊髄路尾側亜核ならびに孤束核におけるMAPキナーゼ(ERK)のリン酸化発現が認められ,これに併せて疼痛関連行動(飲水時間の減少)が認められた。末梢においては鼓索神経の傷害も一つの機序になっている可能性がある。
|
Research Products
(6 results)