2014 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染による歯の形成障害の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
24593073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
門馬 祐子 東北大学, 加齢医学研究所, 非常勤講師 (00191073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 康悦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルス感染が歯の形成不全を起す可能性を示す疫学調査が報告されており、研究代表者は、マウスの系において、ヘルペス科ウイルス感染により歯の形成障害を起すことを明らかにしてきた。しかし、その分子メカニズムについて、十分に解明されていない。本研究では、ウイルス感染によって、歯の形成がどのような影響をうけるのか、炎症反応の影響を考慮して、明らかにすることを目的とする。 これまで、マウス単層細胞を培養し、ヘルペス科ウイルスをin vitroにて感染させ、その後の培養上清中のサイトカインを測定したところ、炎症性サイトカインの上昇が確認された。また、マウスNK細胞を培養し、同様の実験を試みたところ、IFNおよびTNFの産生を認めた。さらに、マウスマクロファージを培養し、同様の実験を行ったところ、IL-1の産生を認めた。そこで、マウス単層細胞の培養液中にIFN、TNF、IL-1を加え刺激したところ、IL-8、IL-6、MCP-1が産生することが明らかとなった。 さらに、合成DNAが細胞内に取り込まれるよう工夫して、合成DNAによる疑似ウイルス感染モデルの作成を行った。疑似ウイルス感染モデルにおいても、マウス単層細胞(主として繊維芽細胞)を用いて実験を行った結果、同様のサイトカイン産生を認めた。 このように、免疫細胞によってIFNやIL-1などのサイトカインが初期の感染状態で産生され、歯の形成にかかわる前駆細胞周囲に存在する繊維芽細胞に作用して、炎症性サイトカインが産生され、歯の形成に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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