2012 Fiscal Year Research-status Report
有限要素法と骨リモデリングシミュレーションによる効果的顎変形症治療システムの開発
Project/Area Number |
24593086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡邉 直子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10397143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90205633)
林 孝文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80198845)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯科矯正学 / 治療システム開発 |
Research Abstract |
近年増加している顔面非対称あるいは偏位咬合を伴う顎変形症患者の効果的治療法確立のため、その原因の一つと考えられる恒常的に加わる負荷-咀嚼-による応力の左右非対称に注目し、下顎偏位が軽減される効果的、効率的な治療法を選択するためのシステムを構築することを目的として、治療による咬合の変化と、それによる下顎骨における応力の変化および下顎骨形態の変化を有限要素解析とメカニカルストレスに対する反応―拡散系の骨リモデリングシミュレーションにより検証している。 平成24年度には顎変形症症例のCT画像を用いて、偏位咬合のパターン分けを行うとともに、それぞれのパターンを顕著に表す症例を選択し、治療前の三次元再構築画像を元として有限要素解析のためのモデル作成を行うとともに、一つのパターンを用いて、治療後三次元再構築画像モデルを試作した。治療前のモデル、および治療後を想定したモデルを用いて、患者固有の習慣性咀嚼時を想定した三次元有限要素解析を行った。この結果、治療後想定モデルにおいて、治療前モデルとは異なった応力分布が習慣性咀嚼時に認められることが明らかとなった。この治療前後の違いについては、次年度も引き続き画像のマッチング等用いて詳細に検討する予定である。また、解析に伴い、両モデルを用いて、正確かつ迅速で安定した計測結果が得られるモデル精度の設定を行った。これにより、今後の解析時間の短縮が可能となると考える。 骨リモデリングシミュレーションについては、ソフトの改良を試みてはいるが、未だに解決しておらず、継続していくことが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨リモデリングシミュレーションについては、ソフトの改良を試みてはいるが、未だに解決しておらず、継続していくことが必要であるが、これは計画においても次年度以降も継続して行う予定としていたことであり、それ以外の症例のパターン分け、モデルの作成等はある程度予定としていたことを達成しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度と同様に、パターン分けした治療後三次元画像モデルの作成、同治療後三次元画像モデルを用いた三次元有限要素解析および骨リモデリングシミュレーションを行う。また、骨リモデリングシミュレーションソフトiBONE の改良は引き続き行う予定である。 また、今年度よりあらたに、未治療および治療後モデル解析結果の三次元画像をマッチングさせ、それぞれの治療パターンにおける治療効果について検証するとともに、本研究の最終目標である各偏位咬合パターンにおける効果的、効率的治療方針決定システムの構築にも着手する。 24年度の研究成果については、国際学会(AAO)にてその一部を発表し、多くの関連する研究者との意見交換を行う事としている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析の一部をラトック(株)に依頼しているため、その解析料に使用する。また、全てのデータが大容量となるため、資料の保存のためのメディア等消耗品の購入にも当てる予定である。 さらに、研究代表者および分担者の研究打ち合わせ、および成果発表の旅費としても使用予定である。
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