2013 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンンドリアの形態変化と口腔顎顔面組織発生との関係解明
Project/Area Number |
24593096
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 啓次 九州大学, 大学病院, 講師 (60392122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山座 治義 九州大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (30336151)
小笠原 貴子 九州大学, 大学病院, 助教 (70596387)
大隈 由紀子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00588105)
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Keywords | 口腔組織発生機構の解明 |
Research Abstract |
ミトコンドリアはすべての細胞において必須のオルガネラの一つであり、エネルギー産生のほか、細胞内シグナル伝達、アポトーシスなどさまざまな細胞機能にかかわっている。ミトコンドリアの形態は、これらの機能と密接に関連しており形態制御にかかわる因子の発見と機能解析が進んできた。 本研究では、ミトコンドリア分裂制御因子の一つであるDrp1に着目し、マウス胎児器官培養法を応用して口腔組織の発生におけるDrp1の機能を解明することを目的とする。実験として、マウス胚発生過程におけるDrp1の発現局在をin situe hybridization法により確認するとともに、RNAiによるDrp1ノックダウン法とマウス第一鰓弓器官培養を組み合わせて口腔組織発生におけるDrp1の役割を明らかにする計画である。 現在まで、マウス第一鰓弓器官培養系の確立を確認している。今後はDrp1の発現解析とノックダウン法による解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス第一鰓弓器官培養系の確立を確認した。in situe hybridization法によるDrp1の発現確認において、プローブ作成およびhybridizationの最適条件が十分に定まらず、試行錯誤中である。RNAiプローブについても条件検討を行っており、最適プローブとその至適濃度や反応条件について試行錯誤中である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のRNAプローブの作成と至適反応条件を早急に決定し、Drp1の口腔組織発生過程での発現局在とノックダウン法による機能解析を進める予定である。 現在、Drp1の関連分子としてMff、Mid49、Mid51が知られている。これらはいずれもミトコンドリア外膜上のタンパクでDrp1のレセプターと考えられており、Drp1のミトコンドリア分裂機能はこれらのレセプタータンパクに依存すると推定される。したがって、万一Drp1をターゲットにした実験系の確立ができず、その原因が明らかにならない、あるいは対策が容易に見つからない場合は、これらのレセプタータンパクにターゲットを変更することも検討している。仮にDrp1のレセプタータンパクにターゲットを変更せざるを得ないとしても、ミトコンドリアの形態制御と口腔組織発生の関係解明という研究目的は達成できると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
口腔組織培養に関する試薬類は概ねそろっており、25年度はそれらを消費することでぎりぎり足りた。26年度にはマウス購入・飼育を予定しており、また、Drp1以外のターゲットに変更せざるを得ない可能性もある。このように、26年度に予想外の経費が発生する可能性があることを考慮し、25年度は無駄な経費を使うことを極力控えた。 マウス購入と飼育の経費、およびマウス胎仔の組織培養の経費に使う。やむを得ず、Drp1以外のターゲットに変更した場合は、新たに必要となる試薬の購入経費に使用する。その他、学会発表と論文投稿の費用にも使用する計画である。
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