2014 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンンドリアの形態変化と口腔顎顔面組織発生との関係解明
Project/Area Number |
24593096
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
増田 啓次 九州大学, 大学病院, 講師 (60392122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山座 治義 九州大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (30336151)
小笠原 貴子 九州大学, 大学病院, 助教 (70596387)
大隈 由紀子 九州大学, 大学病院, 助教 (00588105) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミトコンドリアダイナミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、ミトコンドリアダイナミクスが顎口腔領域の組織発生と機能にどのように関与するかを基礎的研究により明らかにすることにある。また、その基礎的研究成果をミトコンドリア病患児に特有の顎口腔機能低下に対する治療法・予防法の開拓基盤にすることにある。 まずマウス胎児由来の第一鰓弓器官培養系と遺伝子ノックダウン法を組み合わせ、歯胚形成過程にどのような異常が生じるかを調べる方法の確立を目指した。この器官培養系にミトコンドリアダイナミクス制御因子であるDrp1およびMfn1に対するsiRNAを導入した。培養8日目にウエスタンブロットによる各因子のノックダウン効果を調べた。また、組織切片を作成し蕾状期~帽状期への歯胚形成状況を調べた。その結果、Drp1、Mfn1ともタンパク発現抑制効果を認めることはできなかった。組織切片の光学顕微鏡観察においても、歯胚形成阻害効果を認めることができなかった。これらは、遺伝子ノックダウン法をアンチセンスオリゴDNA導入法に変更した場合も同様であった。 一方、この器官培養系にポジティブコントロールとして使用したThymosin beta 4については、タンパク発現抑制効果および歯胚形成阻害効果を認めた。また、細胞培養系ではDrp1、Mfn1ともにsiRNA導入によるタンパク発現抑制効果を認めた。 以上の結果から、Drp1、Mfn1ともに器官培養系には遺伝子ノックダウン法が効果的でないと考えられた。その詳細な理由を明らかにするための実験は行っていない。しかし、細胞培養系ではDrp1、Mfn1ともにsiRNAによりタンパク発現が抑制されていた点から、用いた核酸の塩基配列ではなく、核酸の導入方法に問題があったと推定される。これらの結果を踏まえ、歯原性上皮、間葉系由来の細胞株培養系とsiRNAを組み合わせる方法や、ミトコンドリアダイナミクス関連因子の遺伝子改変マウス由来の組織、細胞を用いる方法に変更し研究を継続する方針である。
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