2012 Fiscal Year Research-status Report
歯髄細胞を用いた石灰化メカニズムの分子生物学的解析
Project/Area Number |
24593112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90278177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩志 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (00278178)
中道 裕子 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (20350829)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯髄細胞 / 骨芽細胞 / アルカリホスファターゼ / 石灰化 / 骨髄由来間質細胞 / 硬組織 / ヒト / マウス |
Research Abstract |
ヒト歯髄は、脱落乳歯や抜去歯などから容易に採取でき、かつ歯髄細胞が多分化能を持つことから、再生医療の材料として大変有望である。 ヒト歯髄細胞をヒト骨髄細胞とアスコルビン酸およびβ-グリセロリン酸を添加した石灰化促進培地にて培養しアルカリホスファターゼ活性にて、石灰化の経時的変化を確認した。ヒト歯髄細胞は、培養条件に関わらず、ヒト骨髄細胞より強いアルカリホスファターゼ活性を示した。アリザリンレッド染色においても、石灰化物の析出する時期が早く、析出量が多いことが確認された。マウス生体内においても、硬組織再性能を認めたことから、硬組織再生にヒト歯髄細胞が有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスおよびヒト由来の歯髄細胞の高い石灰化能を明らかにした。これらの細胞を再生医療に活用するための基礎実験結果を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
現在我々の研究グループが行っている自己骨髄間質細胞を用いた細胞移植に関する臨床研究を歯髄細胞を用いて推進するための基盤を確立した。今後は歯髄細胞を用いた臨床応用を目指した研究として推進していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に引き続き「歯髄・歯根膜細胞を用いた顎骨再生医療の実現を目指した基礎研究」を遂行する。すなわち、①マウスの歯髄のより簡便な培養系を確立する。この系を用いて、骨形成制御因子の同定を目指す。②ヒドロキシアパタイトやカーボンナノチューブなどの生体材料の骨系細胞に対する作用を解析する。③ヒトの歯髄および歯根膜細胞を用いて、破骨細胞の分化誘導支持活性に対しての検討を行い、骨のリモデリング作用における役割を明らかにする。
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