2014 Fiscal Year Research-status Report
母獣咬合障害が子獣海馬機能を抑制し、生後の良好養育環境により改善されるか
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24593113
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
飯沼 光生 朝日大学, 歯学部, 教授 (70184364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 金弥 星城大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00329492)
田村 康夫 朝日大学, 歯学部, 教授 (40113047)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 飼育環境 / ストレス抑制 / 細胞分化 / 神経細胞 / アストロサイト / BDNF |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究で、老化促進モデルマウス(SMP8)を用いて妊娠期に咬合挙上ストレスを加えることで、ストレスの加えられた拇獣から生まれた仔獣の海馬機能の発達が抑制されることや、仔獣の飼育環境を改善することで空間認知機能が良好になり、細胞新生も増加することを明らかにした。 そこで今年度は、妊娠期に咬合挙上ストレスを加え、ストレスの加えられた拇獣から生まれた仔獣の飼育環境を改善することで中枢、特に海馬に良好な影響が表れないかを検討した。細胞は新生後、神経細胞に分化していくわけであるが、すべてが神経細胞に分化するわけではなく、神経細胞に分化する細胞、アストロサイトに分化する細胞、その他の細胞に分化する細胞、消失する細胞などに分かれる。そこで、飼育環境が良ければ正常な拇獣から生まれた仔獣と比較してストレスが加えられた拇獣から生まれた仔獣の海馬の新生細胞の神経細胞への分化率に差がないかを調べるため、新生細胞を同定する抗BrdU抗体と神経細胞を同定する抗NeuN抗体、抗BrdU抗体とアストロサイトを同定する抗GFAP抗体による2重染色を行った。その結果、飼育環境が良ければ新生細胞から神経細胞への分化率が高かったが、アストロサイトへの分化率には差はなかった。このことより妊娠中のストレスの影響が飼育環境を良好にすることでかなり抑制できることが明らかになった。 さらに神経細胞の発生や成長、維持、修復に不可欠なタンパクであるBDNFの発現量を測定した。その結果BDNFの発現量が増加し、飼育環境の改善による影響が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飼育環境を改善することで、妊娠中のストレスによる影響が、海馬の細胞新生のみならず、神経細胞への分化やBDNF発現量の増加も明らかにすることができた。 今年度の結果は第53回日本小児歯科学会(広島)と第25回国際小児歯科学会(イギリス)で発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠中に咬合挙上ストレスが加えられた場合、拇獣の飼育環境を改善することで、仔獣の海馬機能への悪影響が抑制されないかについて水迷路テストと抗BrdU抗体による海馬新生細胞数の検討を前年までと同じ手法で検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
抗BrdU抗体の費用が残金では購入できなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残金と今年度助成金を合わせて抗BrdU抗体を購入する予定
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