2013 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の口腔機能改善が及ぼす運動器機能訓練への増強効果の検証
Project/Area Number |
24593144
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮崎 秀夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00157629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葭原 明弘 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50201033)
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Keywords | 口腔機能訓練 / 運動器機能訓練 / 介入研究 / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究は,特定高齢者の運動器機能訓練に口腔機能訓練を併用することで,身体機能改善への有効な影響を検証することを目的としている。特定高齢者71名(テスト群39名・対照群32名)に対し,テスト群に対しては運動器機能訓練と同時に,口腔機能訓練,歯科衛生指導,質問紙調査を実施し,対照群に対しては運動器機能訓練と質問紙調査のみを実施した。訓練時間は運動器機能訓練として1時間,口腔機能訓練は30分であり,各週1回,3か月,計12回実施した。運動関連の検証項目は開眼片足立ち,Time up & go,10m歩行,つぎ足歩行の四項目,口腔関連項目はRSST,オーラルディアドコキネシス(パ・タ・カ)の四項目である。全体で実施前と実施後の数値を比較したところ,オーラルディアドコキネシスのカ行以外のすべての項目で有意(開眼片足立ち:15.36±2.64→19.25±2.49,p=0.031,Time up & go:10.11±0.32→8.73±0.29,p=0.000,10m歩行:7.59±0.27→6.65±0.24,p=0.000,つぎ足歩行:6.66±0.42→7.41±0.40,p=0.019,オーラルディアドコキネシス「パ」:5.84±0.12→6.07±0.10,p=0.002,オーラルディアドコキネシス「タ」:5.97±0.09→6.09±0.07,p=0.029)な改善が認められた。次に,対照群とテスト群で実施前後の数値変化を比較したところ,開眼片足立ちのみ有意(p=0.010)に改善していた。オーラルディアドコキネシスについてはテスト群でより改善傾向を認めるものの有意差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動器機能訓練に加え口腔機能訓練を行うことによる身体機能の改善を観察することを目的に,これまで71名(テスト群39名・対照群32名)に対する介入研究が実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
特定高齢者を対象とした運動器機能訓練実施に際して,口腔機能訓練に参加する対象者数を増やしていき,統計処理に耐える数を確保する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初,実施予定であった地域(新潟市)から他地域へ変更が余儀なくなり,その選定および行政との調査実施スケジュール調整に多くの時間を費やした結果,補助者謝金と出張費に残(余剰)が生じてているため。 研究対象者数の増加と実施日の増加により,本年度の予算は順当に消費されると見込まれる。
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