2015 Fiscal Year Annual Research Report
新たな時代の乳歯う蝕のリスク評価と歯科保健プログラムの開発
Project/Area Number |
24593145
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
八木 稔 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50157963)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 乳歯 / う蝕 / 予防 / フッ化物応用 |
Outline of Annual Research Achievements |
I. 「前期(1歳から3歳)」の乳歯う蝕予防 新たな時代の乳歯う蝕のリスク要因を評価するために、う蝕減少期における乳歯う蝕のリスク要因を調べ、乳歯う蝕予防プログラムに含まれる指導内容について検討することとした。この時期の乳歯う蝕予防事業においては、歯科保健行動(授乳と飲食、および保護者の行動)の改善に関する指導が従来と同様に重要であることが示された。フッ化物歯面塗布の回数と乳歯う蝕有病状況との関連は明瞭でなかったが、ハイリスク児がなお存在することから、今後もフッ化物歯面塗布事業の継続は必要と考察した。これに加えて、フッ化物配合歯磨剤を使用について指導すべきことが示唆された。 II. 「後期(3歳以降就学前)」の乳歯う蝕予防 就学前施設において歯科健診とアンケート調査を行い、3歳から5歳までの間に発生した乳歯う蝕の予測に関連する要因を調べた。対象は、福岡県内7施設の就学前施設に通っており、3歳時に保護者へ実施した自記式質問紙調査結果および5歳時の定期歯科健康診断結果が確認できた就学前児とした。3~5歳の乳歯う蝕発生には3歳時点でのう蝕経験の有無が影響しており、3歳までの乳歯う蝕予防が重要であることが示された。歯磨剤によるう蝕予防効果は、配合されているフッ化物によるものと思われた。よって、3歳以降の乳歯う蝕有病率の増加抑制には、3歳以前からのフッ化物配合歯磨剤の使用が有効と考えた。 フッ化物応用は、前期・後期とも変わらず重要であると考察した。飲料水中のフッ化物濃度が適正であれば、乳歯う蝕の減少が可能であるが、現状ではフッ化物歯面塗布事業の継続に加えて、フッ化物配合歯磨剤を使用するよう強く指導すべきことが示唆された。今後ともう蝕有病状況の動向を考慮した乳歯う蝕のリスク要因に関する内容の追加を行い、定期的な再評価を実施して新たな予防プログラムを開発することが必要であると考えた。
|
Research Products
(2 results)