2014 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療を受ける頭頸部癌患者への口腔ケアの介入効果
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24593159
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
川下 由美子 長崎大学, 大学病院(歯学系), 講師 (10304958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 俊行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (10170515)
梅田 正博 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60301280)
吉冨 泉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 研究員 (90363457)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 頭頚部がん / 放射線治療 / 口腔粘膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部への放射線治療による有害事象には、口腔粘膜炎、口腔乾燥、味覚異常、放射線骨壊死がある。特に口腔粘膜炎は、疼痛とそれによる食事摂取量の減少を生じ、QOLの急激な低下を招き患者の闘病意欲を減退させ、やむなく放射線治療中止に至ることがある。そのため、医科との連携を図り、放射線治療前から口腔管理を行うことで、放射線治療による口腔内の有害事象を予防あるいは緩和し、効果的な医科歯科連携システムを構築することを本研究の目的であった。 本研究の方法は、耳鼻咽喉科、放射線科と口腔外科において癌で頭頚部に放射線治療を受ける患者に対して独自のプロトコール「頭頚部がん放射線治療時の有害事象予防バンドル」を用いて放射線治療前から口腔管理を行った。口腔管理の内容は①スペーサー作成 ②ピロカルピン塩酸塩の投与 ③保清と保湿に重点をおいた口腔清掃 ④口腔粘膜炎へオリブ油で溶いたデキサルチン軟膏塗布 であった。 その結果、当院にて頭頚部に放射線治療を受ける患者のほぼすべてを登録することができ、年間60名程度の新患を管理することができた。また、放射線治療中の口腔管理の介入効果については、口腔・中咽頭がん患者30名のうち重度の口腔粘膜炎の発症を17%(5名)に抑えられ過去の報告と比較して低い割合を示した(Kawashita et.al., Journal of Cancer Research & Therapy, 2014)。現在この口腔管理の方法が口腔粘膜炎の重症化抑制効果があるか「多施設共同前向きランダム化比較試験(UMIN登録番号:000011254)にて検証している段階である。
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