2014 Fiscal Year Annual Research Report
効果的な保湿が口腔乾燥義歯患者の口腔および咽頭の細菌叢を正常化する
Project/Area Number |
24593160
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
村上 格 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80264448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 英一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (00028812) [Withdrawn]
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10189251)
松尾 美樹 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20527048)
田中 帝臣 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40613146) [Withdrawn]
鎌下 祐次 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (90224641) [Withdrawn]
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00294570)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 口腔乾燥 / 保湿剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,まず,C. albicans,アムホテリシンB(以下,AMPH-B),開封直後(0時間)と8時間保管(8時間)の保湿剤20種を用いて保湿剤の抗菌性を評価した.その結果,リキッド保湿剤2種,ジェル保湿剤1種にのみ発育阻止円が観察された.AMPH-Bと保湿剤3種類の発育阻止円を比較した結果,0時間の保湿剤は全てAMPH-B0.25倍ならびにAMPH-B0.125倍と同じであり,8時間の保湿剤の発育阻止円は,ジェル保湿剤ではAMPH-B0.25倍ならびにAMPH-B0.125倍と同じであり,リキッド保湿剤では,AMPH-B0.125倍ならびにAMPH-B0.06倍と同じであり,抗真菌性を有するジェル保湿剤の選択の有効性が示唆された.次に,ジェル保湿剤10種について0時間と8時間を試料に用い,成人女性14名に保湿剤の香り,味,舌触り,潤い感,塗布のしやすさ,総合点についてVASを用いて調査した.その結果,総合点と味は相関係数が0.72と強い相関を認め,各評価項目における0時間と8時間の保湿剤の比較を行った結果,味だけが8時間で有意に評価結果が低下し,保湿剤の味は製品選択上重要な要因であることが示された.以上の結果とこれまでの保湿剤の粘度や残存重量に関する研究成果をもとに,効果的な保湿条件に必要な保湿剤の選択について検討を行ったが,研究開始時に入手可能な保湿剤はすべての評価項目において共通した優れた結果を示す保湿剤を選択することが出来なかった.そこでC. albicansに抗菌性を認めたジェル保湿剤1種を口腔乾燥義歯患者に適応した結果,口腔乾燥に関する自覚症状は保湿剤の適用で改善は認められたが,細菌数や叢に関しては有意な変化は認められなかった.本研究結果からは,保湿剤は様々な性質を有し,すべての性質において優れた成績を示す製品が認められないこと,適用方法については,理工学的に種類や湿度を考慮するだけでなく,抗菌性や主観的評価も加味した選択が必要であることが示唆された.
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Research Products
(10 results)