2015 Fiscal Year Research-status Report
MK615の歯科医学への応用に向けて:抗う蝕・抗歯周病特性の解析
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24593161
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
森元 陽子 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 助教 (30437967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
徳田 雅行 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (20253891)
菊池 清志 久留米大学, 医学部, 助教 (60404539)
鳥居 光男 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30116066) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯肉線維芽細胞 / LPS / 抗炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は歯肉線維芽細胞を用いて、歯周病原菌のLPSによって惹起される炎症が、梅肉抽出成分MK615によって抑制されることを明らかにした。 ヒト歯肉線維芽細胞(Gin-1)をA. actinomycetemcomitans LPSまたはP. gingivalis LPS 100ng/mlで刺激したところ、培養上清中へのIL-6およびIL-8産生は著しく上昇するが、MK615で前培養したところMK615の濃度依存的にIL-6およびIL-8産生は抑制された。また、A. actinomycetemcomitans LPSおよびP. gingivalis LPS刺激によるIL-6およびIL-8産生はp38MAPKインヒビター添加により抑制された。 我々はこれまでにマクロファージ系細胞において歯周病原菌のLPS刺激における炎症性サイトカインの産生をMK615が抑制することを示した。本年度の実験で歯肉線維芽細胞からのIL-6およびIL-8の産生をMK615が抑制することが明らかになり、歯周組織においてMK615が歯周病治療や予防に重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MK615がう蝕病原菌や歯周病原菌に対して抗菌効果をもち、S.mutansに対してはプラーク形成能を抑制することが分かった。 また、歯肉線維芽細胞を用いて、歯周病原菌のLPSによって惹起される炎症が、梅肉抽出成分MK615によって抑制されることを明らかにした。歯周組織においてMK615が歯周病治療や予防に重要な役割を果たす可能性が示唆された。この内容について本年度は研究成果を論文発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、破骨細胞分化に重要な役割を果たす因子の活性化をMK615が抑制することができるか、また、破骨細胞分化に必要な骨芽細胞のRANKL発現をMK615が抑制するかなど、MK615の骨吸収抑制作用について実験を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
中断していた期間分の物品費、旅費や論文投稿の際の経費が残っているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
破骨細胞や骨芽細胞を購入し、実験をすすめていく予定である。 また、成果の学会発表と論文投稿を行う予定である。
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