2016 Fiscal Year Annual Research Report
Toward the application of MK 615 to dental medicine:Analysis of anti-caries · anti-periodontal disease characteristics
Project/Area Number |
24593161
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
森元 陽子 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (30437967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
徳田 雅行 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (20253891)
菊池 清志 久留米大学, 医学部, 助教 (60404539)
鳥居 光男 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30116066) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MK615 / 破骨細胞 / mRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、破骨前駆細胞から破骨細胞への分化を梅肉抽出成分MK615が抑制するかどうかを検証した。 Mouse RAW264.7D cellを用いてRANKL刺激によるp38とERKのリン酸化を確認したところ、MK615無添加のものはどちらもリン酸化が認められた。しかし、MK615を添加したところERKには変化が認められなかったが、p38のリン酸化は有意に抑制された。また、MK615で前処理すると細胞内のIκBはリン酸化されにくく、デグラデーションしないため増加傾向にあった。 Mouse RAW264.7D cellをRANKL刺激した際の、破骨細胞に発現するRANKのmRNAをreal time PCRで確認したところ、MK615無添加のものはmRNAの増加が認められたが、MK615を添加したところMK615の濃度依存的にRANK発現は有意に減少した。また、破骨細胞の多核化を抑制するとともに、細胞融合に必須の因子DC-STAMPの発現、破骨細胞に特異的に発現すると考えられてきた骨を分解するタンパク質分解酵素カテプシンK、破骨細胞のマーカー酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ(Tartrate-Resistant Acid Phosphatase;TRAP)のmRNA発現もMK615の濃度依存的に減少した。 これらのことから、梅肉抽出成分MK615は歯肉組織細胞の炎症反応を抑制するだけでなく、破骨細胞の分化も抑制し、歯周病による歯槽骨破壊を抑制することが示唆された。 本研究全体を通して、MK615には抗炎症作用、骨破壊抑制作用、う蝕病原菌・歯周病原菌に対する抗菌作用があることが認められた。MK615は天然成分からの抽出物であり、生体に安全であるため、副作用がなく効果的な歯周病およびう蝕の治療や予防に寄与することがおおいに期待できる。
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