2013 Fiscal Year Research-status Report
口臭物質の歯槽骨吸収機序の解明:歯周炎幹細胞モデルによる分子標的予防法の確立
Project/Area Number |
24593171
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
今井 敏夫 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (90120617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨田 剛司 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (00366767)
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
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Keywords | マウス骨髄幹細胞 / 硫化水素 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
本研究は骨髄幹細胞から破骨細胞および骨芽細胞への分化初期過程に焦点を絞り、口臭原因物質である硫化水素の作用メカニズムを考究し、歯周疾患の歯槽骨吸収の予防および進行阻止に寄与することを目指している。 平成24年度および一部25年度にまたがって、6-10週齢マウス大腿骨の骨髄より、骨髄幹細胞を分離し、さらにmagneticcally activated sorting(MACS) system法で細胞表面マーカーCD117をダーゲットにして破骨細胞への分化機能を保持している細胞を分離した。CD117(+) 細胞は低濃度硫化水素によって有意な破骨細胞への分化誘導が認められた。その誘導にはNFAT1が関与していることが明らかとなった。平成25年度は同じくマウス骨髄からMACS system法で細胞表面マーカーCD34をダーゲットにして、骨芽細胞への分化機能を保持した幹細胞を分離した。この細胞に分化因子であるβーグリセロリン酸を添加培養したところ、骨芽細胞の特性であるnoduleの形成と高いALP 活性の誘導が認められた。現在、骨芽細胞へのより強い分化機能を保持した細胞を精度よく分離することを目指して、他の表面マーカーについても検討中であり、また幾つかの表面マーカーを組み合わせた分離法についても合わせて検討している。平成26年度は破骨細胞および骨芽細胞機能を保持した両幹細胞共存下において、破骨細胞への分化誘導に焦点をあて硫化水素の作用メカニズムを解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度はマウス骨髄からの血球幹細胞を分離し、さらに骨芽細胞を分離することを目標に掲げて実験を開始した。骨芽細胞の細胞表面マーカーとしてCD34をターゲとにして、骨芽細胞への分化機能をもった細胞集団であることが認められたが、さらなる分化機能を保持した細胞集団へと分離技術の確立を検討している。これらの骨芽細胞分化機能を保持した集団は24年度の作成した破骨細胞への分化機能を保持した幹細胞との共存培養する環境が整ってきた。本研究の最終段階に進むことができ、概ね計画通りに進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は本研究申請の最終年度である。当初の目標である、骨髄幹細胞由来の破骨前駆細胞ならびに骨芽前駆細胞の共存培養下における、硫化水素の作用メカニズムを解析することである。この両細胞存在下での作用メカニズムの考究は生体内での減少に近似すると考えられ、口臭原因物質(硫化水素)の歯周疾患の発生および進行のメカニズム解析に新知見を与えるものである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度繰越金48708円は実験材料の納品の遅延によって生じたものであり、ほぼ使用計画に準じて支出している。 繰越金残高の実験材料は既に納品され、事務的手続きが進捗している。
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