2014 Fiscal Year Annual Research Report
口臭物質の歯槽骨吸収機序の解明:歯周炎幹細胞モデルによる分子標的予防法の確立
Project/Area Number |
24593171
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
今井 敏夫 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (90120617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨田 剛司 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (00366767)
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 硫化水素 / 分化誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は口臭原因物質(硫化水素)存在下における歯槽骨吸収の分子メカニズムを解明することを主目的に、本年度は幹細胞から分化した破骨細胞と骨芽細胞との共存培養下でのRANK-RANKL系の発現について、特に破骨細胞の分化機構に焦点を当てた。細胞はマウス骨髄由来の破骨前駆細胞(BMC-F)および破骨細胞様細胞 RAW26、骨芽細胞としてマウス骨髄由来骨芽前駆細胞(BMC-0b)および骨芽細胞様細胞 MC3T3-E1を実験に供した。骨芽細胞の培地は α-MEM、破骨細胞は α-MEMとMSCGM等量混和培地を用いた。破骨細胞と骨芽細胞の共存培養は Transwellに下部wellに破骨細胞を、上部wellに骨芽細胞をそれぞれ播種した。骨芽細胞のRANKL発現をRANKLを1次抗体として免疫蛍光染色を施し、レーザー顕微鏡にて観察したところ、細胞質に強い蛍光像が認められた。このことから RANKLが産生されていることが認められた。破骨前駆細胞から破骨細胞への分化は硫化水素により誘導されることはすでに報告している。そこで硫化水素による分化誘導が遺伝子レベルで誘導されているかを継時的に検討した。分化マーカーとして、カテプシンK、酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼのよく知られている。そこでこの両因子の遺伝子発現を RT-PCRで検討したところ、硫化水素処理6時間までは両因子のm-RNAの発現は硫化水素無処理群と有意な差は認められなかった。このことは硫化水素による破骨細胞分化誘導因子の遺伝子発現は比較的長時間を要すると推察される。そこで現在、硫化水素の曝露時間を経日的に追って遺伝子発現を検討している。次に、混合培養であるが、Transwellを用いて両細胞の非接触環境で共存培養して、破骨細胞の分化程度を検討しているが、破骨細胞の顕著な分化誘導は認められなかった。現在、両細胞の直接的な接触環境で検討している。
|