2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病の新しい視点からの生活習慣病としての位置づけ
Project/Area Number |
24593174
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
野村 義明 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (90350587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 信治 鶴見大学, 歯学部, 教授 (30139620)
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯周病 / 生活習慣病 / 歯石形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は喫煙習慣、肥満、糖尿病との関連から生活習慣病として位置づけられている。歯周病の主たる病因である歯石は現在でもその形成のメカニズムは明らかではない。我々の研究グループでは、石灰化ナノ粒子の構成成分を血清を用いて分離精製を行い、その過程で酸化低比重リポタンパクが石灰化ナノ粒子に関連する物質であることが明らかとなった。本研究課題では、人工的歯石形成に酸化低比重リポタンパクがどのように関与するかを検討した。 人工的にハイドロキシアパタイトを合成する場合、湿式法、80℃の高温で合成して良好なハイドロキシアパタイト結晶を合成する方法を確立しているがこの系は10L単位で実験を行うため、少量でも検討できる系を確立する必要がある。そこでFlow Cellによる流動系および1ミリL単位でアパタイトを形成する系を確立した。これらの系を用いてアパタイト形成における高比重リポタンパク、低比重リポタンパク、酸化低比重リポタンパクの影響を検討した。その結果、Flow Cellによる系では高比重リポタンパクを反応液に添加した場合、低比重リポタンパク、酸化低比重リポタンパクと比較し明らかに異なる結晶像が観察された。透過型電子顕微鏡下で高比重リポタンパク添加ではアパタイト様の結晶は観察されなかったが低比重リポタンパク添加ではアパタイト様の結晶が観察され、酸化低比重リポタンパク添加ではその傾向が強かった。電子線マイクロアナライザによるカルシウム、リンの比率の定量では高比重リポタンパク、低比重リポタンパク、酸化低比重リポタンパクの順のカルシウム、リン比が上昇し酸化低比重リポタンパクが最もハイドロオキシアパタイトに近い結晶を生成していた。以上の結果により酸化低比重リポタンパクは歯石の主成分であるハイドロオキシアパタイトの形成を促進している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)