2012 Fiscal Year Research-status Report
誤嚥性肺炎を予防するための自然免疫に抵抗性をもつ口腔常在菌の検出方法の確立
Project/Area Number |
24593175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
堀内 俊克 鶴見大学, 歯学部, 助教 (90454165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)
濱田 良樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70247336)
今井 奨 鶴見大学, 歯学部, 講師 (80072958)
山田 浩之 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90267542)
野村 義明 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (90350587)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 誤嚥性性肺炎 / アンギノーザス群レンサ球菌 |
Research Abstract |
誤嚥性肺炎の予防には、口腔ケアを行うことの重要性が指摘されている。一方、アンギノーザス群レンサ球菌(AGS)は口腔内に常在するレンサ球菌で自然免疫に抵抗性を示す。このため歯性感染症だけでなく、誤嚥性肺炎、脳膿瘍、壊死性菌膜炎、細菌性心内膜炎の起炎菌とされている。しかし、この菌を単離培養するに至っていないのが現状である。本研究目的はAGSの選択培地を開発し、さらに、ドラックデリバリーシステム(DDS)の考案により、効果的、選択的にAGSの除菌療法を確立し誤嚥性肺炎の予防に貢献することである。 市販のペプチド合成ディフェンシンは高価であるため、臨床で使用するには非現実的である。ディフェンシンが安価に得られる大量発現系を構築することを目的とする。ディフェンシンは、大腸菌に発現させた場合、封入体を形成してしまう。この封体からディフェンシンを精製する系を確立させた。培地内のディフェンシンの存在はディフェンシンを含んだ培地へ細菌を入れ、S.anginosus以外の細菌が発育障害を受けることで証明する。選択培地に精製に用いる細菌は、S.anginosus、S.salivarius,S.gordonii,S.sanginis,S.mutans,などを用いた。選択培地としての最適なディフェンシン濃度を決定する。 今年度の成果は、寒天培地にsubphamethazine,aztreonam,bacitracinを加えたST-sab寒天培地を開発しSAGが半選択的に単離培養することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、ディフェンシンが安価に得られる大量発現系を構築し、SAGの単離培養培地の開発を目的であったが、寒天培地にsubphamethazine,aztreonam,bacitracinを加えたST-sab寒天培地を開発にとどまった。ST-sab寒天培地を用い、SAGが半選択的に単離培養することができた。SAGを安価に単離培養させることの目的は達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔内からAGSを除菌するドラックデリバリーシステムによる除菌療法の確立を行う。 S.anginosusが歯牙表面、歯肉溝など口腔内のどの部位に高頻度に存在しているかを調査する。その好発部位を効果的に除菌する方法を確立する。 被験者のデンタルプラーク、舌苔などから開発した選択培地上で培養し好発部位を調査し、好発部位に対し機械的清掃、抗菌薬、消毒薬などを投与し、治療終了後再度培養し除菌されていることを確認する。さらに、人工呼吸器を装着されている患者に対し開発した除菌療法を行った群と行わなかった群の2群間で誤嚥性肺炎の発症率を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)