2013 Fiscal Year Research-status Report
誤嚥性肺炎を予防するための自然免疫に抵抗性をもつ口腔常在菌の検出方法の確立
Project/Area Number |
24593175
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
堀内 俊克 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (90454165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 信弘 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70180916)
濱田 良樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70247336)
今井 奨 鶴見大学, 歯学部, 講師 (80072958)
山田 浩之 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90267542)
野村 義明 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (90350587)
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Keywords | 誤嚥性肺炎 / アンギノーザス群レンサ球菌 |
Research Abstract |
誤嚥性肺炎の予防には口腔ケアを行うことの重要性が指摘されている。一方,アンギノーサス群レンサ球菌(AGS)は口腔に常在するレンサ球菌で自然免疫に抵抗性を示す。このため歯性感染症だけでなく誤嚥性肺炎、脳膿瘍,壊死性筋膜炎,細菌性心内膜炎の起炎菌とされている。しかし,この菌を単離培養するには至っていないのが現状である。本研究目的は、AGSの選択培地を開発し、さらにドラックデリバリーシステム(DDS)の考案により、効果的、選択的にAGSの除菌療法を確立し誤嚥性肺炎の予防に貢献することである。 開発した選択培地を用いて、S.anginosusの除菌法の開発を行う。 われわれが開発してきた口腔内からミュータンス連鎖球菌を除菌する方法を応用して、口腔内のS.anginosusを除菌する方法を考案する。S.anginosusは口腔内で歯牙表面や歯肉溝に存在することが知られているため、機械的歯面清掃に加えて抗菌剤を歯牙表面に特異的に使用することによりS.anginosusの除菌を試みる。対象患者は鶴見大学歯学部附属病院に歯石除去を希望して来院した患者5名とする。デンタルプラークを歯牙より採取し、開発したS.anginosus選択培地で培養する。機械的歯面清掃に加えて抗菌剤を歯牙表面に特異的に使用する治療法を行い、治療終了後に再度プラークを歯面より採取しS.anginosusが除菌されているか否かの検討を行う。除菌が十分に行われていることが確認された場合は可能なかぎり症例数を増やしてデータを蓄積する。除菌が不十分な場合は、治療方法の再検討が必要になる。具体的には抗菌薬の種類や投与期間、投与形態の変更を検討することになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度開発したアンギノーザス群レンサ球菌(AGS)の半選択的単離培養させるST-sab寒天培地によって、AGSの好発部位特定、口腔ケア方法の確立に至らなかったため、若干の研究計画を変更し、AGS群を含む口腔内細菌叢を調査することで、口腔ケアが除菌、細菌叢の変化に寄与するか、調査、検討にあたったため、実験計画に遅れが生じてしまった原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の口腔ケア方法確立は、歯面、歯周ポケット、舌苔部などから、プラーク、唾液を採取し細菌総数をカウントし、口腔ケア前後の細菌総数を比較することにより、ケア方法、ケア回数、有効抗菌性薬剤などを検討してゆく。 このケア方法をもとに、口腔ケア前後に、唾液、デンタルプラーク、歯肉溝、舌苔などより、検体を採取し、16SrRNA遺伝子の塩基配列より、AGS群を含む口腔細菌叢の割合を解析する。誤嚥性肺炎者の喀痰を同様の方法で細菌叢を解析し、どの部位を重点的にケアを行うか必要があるかを調査する。また、口腔ケア前後で細菌叢に変化があるかを同様の検体採取、解析方法で行う。 最終的な、口腔ケアの方法、介入頻度、有効薬剤を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の遅延による検体採取が進まなかったことが助成金繰越額となった原因である。 また、公表する成果がなかったため、旅費などの申請もなかった。 本年度は、口腔ケア方法の確立とその効果を検証する。口腔ケア方法の確立は、細菌カウンターによる総細菌数を調査し、簡便に口腔内総細菌数を比較すことで、最適な口腔ケア方法、介入頻度、使用薬剤などを決定する。決定された口腔ケア方法で口腔内細菌叢の変化、除菌を確認する。AGS群を含む口腔内細菌叢の検出には16SrRNA遺伝子の塩基配列を用いる。(10症例 口腔ケア前、口腔ケア後に検体を採取)同時に、誤嚥性肺炎患者の喀痰を検体とし、同様に細菌叢を調査する。(10症例)
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