2013 Fiscal Year Research-status Report
起立を支える援助プログラムの確立-下腿周囲径に着目して-
Project/Area Number |
24593195
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永谷 幸子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90452200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 宏光 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20225535)
藤本 悦子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00107947)
林 久恵 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (80444404)
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Keywords | 起立性低血圧 / 早期離床 / 近赤外線分光法 / 下腿周囲径 |
Research Abstract |
本研究のねらいは起立の援助が必要な患者に対し、血圧を低下させない看護介入方法を検討することである。平成25年度は24年度に引き続き、高齢者を対象とした実験を展開した。 対象者は地域在住高齢者17名であった。仰臥位で、能動的および受動的な足関節の背底屈運動を1分間実施した。実験開始から終了まで、心電図、一心拍毎の血圧、前額部の酸化ヘモグロビン変化量を測定した。運動実施前1分間と実施後1分間において、各データを比較したところ、前額部の酸化ヘモグロビン変化量は、能動的、受動的という運動の種類に関わらず、有意に上昇することが示された。心拍数は、能動的な運動を行った場合のみ上昇することが示された。 本実験において、足関節の運動が、前額部での酸化ヘモグロビン濃度を上昇させることが明らかとなった。これは、足関節を動かすことで、静脈還流が増加したため(下肢に貯留している血液が体の中枢部へ移動した)と、考えられる。本研究の結果で特に注目している点は、受動的な運動を行った場合でも、前額部の酸化ヘモグロビン濃度が上昇したことである。このことより、足関節の運動は、自分の力で動くことが難しい患者の姿勢変換時や早期離床を促す際に、有用な介入になり得ることが示唆された。現在、平成25年度の実験結果を踏まえ、論文投稿準備中である。 また、平成25年度は、看護師が体位変換を実施する際のアセスメントについて論文をまとめた。この論文は、現在、査読段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.足関節の運動と脳血流の関係を、実験研究によって明らかにした。2.早期離床の観点から、看護師のアセスメントに関する論文を投稿した。以上の2点から、研究は、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度の結果をまとめ、外部へ発表する。 仰臥位だけではなく、足関節の運動後に姿勢変換を行い、循環動態の変動を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた研究打ち合わせが一件中止になったため。 平成26年度の研究打ち合わせの旅費として使用する予定である。
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