2012 Fiscal Year Research-status Report
屋根瓦方式アクションリサーチによる新任医療安全管理者の実践力強化プログラムの開発
Project/Area Number |
24593197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
内田 宏美 島根大学, 医学部, 教授 (30243083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津本 優子 島根大学, 医学部, 准教授 (30346390)
福間 美紀 島根大学, 医学部, 講師 (40325056)
竹田 裕子 島根大学, 医学部, 助教 (60598134)
宮本 まゆみ 島根大学, 医学部, 助教 (80551746)
長田 京子 島根大学, 医学部, 教授 (90325051)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療安全管理者 / アクションリサーチ / 屋根瓦方式 / フォローアップ教育 |
Research Abstract |
島根県看護協会の協力を得て、医療安全管理者養成研修後に医療安全管理者として実務につく経験の浅い看護管理者のフォローアップのためのワークショップをアクションリサーチの形態で実施した。経験の浅い医療安全管理者11名、ファシリテート役の経験豊かな医療安全管理者3名の協力者を得た。3グループを編成し、各グループにファシリテーター1名とそれを支援する研究者1名を配置して、屋根瓦式の支援体制を作り、平成24年7月17日、9月11日、11月5日、平成25年3月1日の4回、各5時間のワークショップを開催し、各医療安全管理者の課題の解決を相互のコンサルテーションとファシリテートにより支援するアクションリサーチを展開した。 研究の実施に当たっては、島根大学医学部看護研究倫理委員会の承認を受け、文書により協力者の研究参加の同意を得た。協力者にはアクションリサーチ展開の実践記録を残してもらい、電子データで提出してもらった。初回のワークショップ前と、最終回のワークショップの後で、①リスクマネジメント活動の実践度、②トップマネージャーのリーダーシップ、③コミュニケーションスキルについて自記式アンケートを実施した。データは匿名化し、協力者は特定されないよう配慮した。11名の協力者のうち2名が個人の事情で途中で離脱したため、全過程を貫徹した9名のデータを分析の対象とした。 9名のうち7名は、アクションリサーチをとおしてPDCAサイクルを繰り返すことができ、結果的に自己の課題の解決を図ることができたが、残る2名については、課題の明確化と課題解決のための方向性を見出すに留まった。リスクマネジメントの実践度得点はアクションリサーチ前後で有意な変化はなかったが、課題の解決に至った7名については、リーダーシップ得点、コミュニケーションスキルの有意な上昇がみられ、屋根瓦方式アクションリサーチの効果が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画は次の通りであった。 1.島根県看護協会の協力を得て、医療安全管理者のフォローアップ研修としてアクションリサーチ型のワークショップを企画する。 2.島根県看護協会の協力を得て、施設管理者を介して医療安全管理者研修修了者に研究協力を要請し、協力者を得る。 3.研修者が所属する島根大学医学の看護研究倫理委員会に研究計画を提出し、承認を得る。 4.毎月1回、一回につき3時間程度のコンサルテーションを6か月実施する。評価指標として、問題解決家庭の実施状況と、アプローチ前後のリスクマネジメント実践度、トップマネジャーに求められるリーダーシップ得点、コミュニケーションスキル得点を求める。 結果、島根県看護協会リスクマネージャー交流会の全面的な協力を得て、本屋根瓦式アクションリサーチによる医療安全管理者のフォローアップを、交流会主催のワークショップとして開催することができた。よって、計画1.2.3.は予定通り達成した。 計画4.については、実施回数、頻度について主催者と検討の結果、現場の問題に対してアクションをお越し、反応を評価する1プロセスに2か月は要するという判断から、コンサルテーションの会合は2か月ごとし、1回に実質5時間を設定する計画に変更しての実践となった。全過程への参加協力の得られた9名について、プロセス評価とアウトカム評価のデータを得ることができ、分析結果を平成25年の日本看護管理学会で公表するために、演題登録中である。よって、一部計画変更したものの、計画4.についても概ね達成できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度計画が概ね達成でき、アクションリサーチの進め方を2か月ごとに計4回の実施に変更しても十分な成果が得られることが確認できた。よって、平成25年度は、申請時の1か月ごとに6回を、2か月ごとに4回に修正して、平成24年度の方法に準じて屋根瓦式アクションリサーチを実施する。 既に、平成24年度同様に、リスクマネージャー交流会の企画による島根県看護協会主催の医療安全管理者支援ワークショップとして位置づけ、参加者を募集し、9名の参加者と3名のファシリテーターとしての協力者を得ている。ファシリテーターの1名は、平成24年度には経験の浅い医療安全管理者の立場での参加者であるが、アクションリサーチの成果が大きかったことを受け、ファシリテーターとして推薦した。 5月、7月、9月、11月にワークショップを開催予定である。アクションリサーチの進め方、および、評価は、平成24年度と同様とし、平成24年度と25年度の2年分のデータを基に、屋根瓦式アクションリサーチの効果を検証する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)