2013 Fiscal Year Research-status Report
屋根瓦方式アクションリサーチによる新任医療安全管理者の実践力強化プログラムの開発
Project/Area Number |
24593197
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
内田 宏美 島根大学, 医学部, 教授 (30243083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津本 優子 島根大学, 医学部, 准教授 (30346390)
福間 美紀 島根大学, 医学部, 講師 (40325056)
竹田 裕子 島根大学, 医学部, 助教 (60598134)
宮本 まゆみ 島根大学, 医学部, 助教 (80551746)
長田 京子 島根大学, 医学部, 教授 (90325051)
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Keywords | 医療安全管理者 / アクションリサーチ / 屋根瓦方式 / フォローアップ教育 |
Research Abstract |
前年度の取り組みに引き続いて、島根県看護協会の協力を得て、医療安全管理者養成研修修了者のフォローアップのためのワークショップという位置づけで、アクションリサーチを実施した。経験の浅い医療安全管理者10名、ファシリテーターの経験豊かな医療安全管理者3名、グループ内の相互コンサルテーションをファシリテートする教員4名が参加した。3グループを編成して、屋根瓦式の支援体制を作り、経験の浅い医療安全管理者が抱える課題の解決を、相互のコンサルテーションと経験者のファシリテートによって支援する1階5時間程度の“屋根瓦式”のワークショップを、平成25年5月、7月、9月、11月に開催し、平成26年1月にまとめの報告会により活動を総括した。 アクションリサーチの効果を測定するためのデータ収集は、島根大学医学部看護研究倫理委員会の承認を受けた後、ワークショップ参加者には、任意で、匿名化した展開記録と、実践の前後での①リスクマネジメント活動の実践度、②トップマネージャーのリーダーシップ、③コミュニケーションスキルの自己評価票の提供をもとめた。 10名のうち2名の問題解決は期待の域に達していなかったが、8名は、アクションリサーチをとおしてPDCAサイクルを展開して具体的な実践による課題の解決を図ることができていた。アクションリサーチ前後の10名分の①②③のデータを比較分析した結果、全項目得点および全カテゴリ得点について、事後の得点が高くなっており、一部は統計的にも有意差があった。 よって、メンバーを刷新して臨んだ今年度についても、前年度同様、屋根瓦式アクションリサーチの効果が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、平成24年度の実績を踏まえて、新たな対象者(経験の浅い医療安全管理者)を求め、経験ある医療安全管理者により屋根瓦式ファシリテートにより、課題解決型のワークショップによるアクションリサーチを2か月ごとに計4回実施して、その効果を評価する計画であった。 島根県看護協会の協力により、ワークショップ参加者10名を得た。また、一部入れ替えがあったものの、ファシリテーター役の経験ある医療安全管理者3名の協力を得ることもできた。10名のワークショップ参加者全員から、アクションリサーチとしての協力にも同意してもらえ、予定どおり、4回のワークショップとまとめの報告会を開催することができ、10名分の評価データを得ることができた。 昨年度と合わせて、合計19名分の詳細なデータが得られたことから、「屋根瓦方式アクションリサーチによる新任医療安全管理者の実践力強化プログラム」を提示することが可能と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間の取り組みにより、2か月ごとに計4回のワークショップでのコンサルテーションによって、経験の浅い医療安全管理者のリーダーシップ能力やコミュニケーション能力が向上し、医療安全に関する組織横断的な問題解決行動をとれるようになっていくことが確認できた。 この成果を、平成26年度の日本看護管理学会、日本医療の質・安全学会等で報告し、本方式を、新任の医療安全管理者のための支援プログラムのモデルとして提示する。 一方、本取り組みを通して、小規模医療機関、民間の医療機関におけて医療安全管理役割を担う看護職者の困難が明らかとなり、優先的にサポートする必要があると考えられた。したがって、平成26年度は、引き続き島根県看護協会との協働により、平成25年度・26年度と同じスタイルで、小規模医療機関及び民間医療機関の看護職を対象としたワークショップを開催し、屋根瓦式アクションリサーチを継続して実施する予定で、本方式の地域への定着を図る。
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Research Products
(4 results)