2013 Fiscal Year Research-status Report
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24593216
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
今井 宏美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (00369406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保坂 誠 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60096500)
榎本 麻里 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80151992)
坂下 貴子 城西国際大学, 看護学部, 准教授 (50341871)
茂野 香おる 天理医療大学, その他部局等, 教授 (00208612)
大谷 真千子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (90152173)
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Keywords | 医療面接 / OSCE / コミュニケーション / 看護基礎教育 / 眼球運動 |
Research Abstract |
本研究では、模擬演習場面や臨床の医療面接場面における模擬患者らの眼球運動の分析を行い、模擬患者らが捉えた非言語情報を可視化することで、医療面接時に重要とされる非言語情報のエビデンスの解明を目的とするものである。 当該年度は、研究への同意が得られた模擬患者に対して、模擬診療を実施し、眼球運動の測定を行うとともに、歯科診療場面における医療者への印象等についても口述データを収集することができた。また、最終年度となる本年度の研究の進捗を図るため、得られたデータの事前分析を実施し、一定の傾向を明らかにした。 具体的には模擬患者の頭部に装着した眼球運動測定装置により、模擬演習中の模擬患者の眼球運動の軌跡及び注視時間を記録し、注視点に係るデータを集計、模擬患者の注視時間と注視部位について基本統計量を抽出、注視部位ごとの注視時間の有意差を分析した。その結果、従来の注視時間として下限値のみを適用してきたが、有意な注視時間としては上限値も存在する可能性が示唆された。 これらの当該年度の研究結果及び今後予定している一連の研究を踏まえると、従来、主観的に語られることが多かった医療面接時に重要とされる非言語情報、なかでも「医療従事者に対して患者が注視する点」が定量的に明らかになり、近年重要性を増す医療面接に新たなエビデンスを提示できるものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、それまでの看護場面における調査だけでなく、歯科診療場面におけるデータを収集する等、概ね予定していた研究計画に沿った実験を実施できた。特に、模擬患者の注視点について分析した結果、注視時間に上限値あることが示唆されるなど、当該年度までの研究により、有意な結果を得ることができた。 また、計測機器メーカーとの共同作業により、昨年度に引き続き、眼球運動の測定方法の改良を加えることができた。これにより、1msec(1/1000秒)単位で記録される膨大な画像及び座標データの集計方法が確立され、効率的な分析作業を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度となる本年度は、今までの研究データ及び研究成果を取りまとめ、所期の目的である、医療面接時に重要とされる非言語情報のエビデンスを提示するとともに、看護教育等における当該エビデンスの活用方法の提案を行うこととする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)当該年度までデータ収集を実施した為、データ整理(人件費)に伴う支出が次年度となった(200,000円)。 (2)データ整理の一部が次年度に繰り延べとなったことによる消耗品等使用量の減及び消耗品購入に伴う差金(90,118円)。 (1)データ整理に要する人件費として支出(200,000円) (2)データ整理に要する消耗品等として支出(90,118円)
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