2012 Fiscal Year Research-status Report
外来機能の強化による医療関連感染予防のための連携システム開発と評価
Project/Area Number |
24593225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
矢野 久子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (00230285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 法子 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (90249342)
脇本 寛子 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (40336706)
市川 誠一 名古屋市立大学, 看護学部, 教授 (90106302)
前田 ひとみ 熊本大学, その他の研究科, 教授 (90183607)
戸苅 創 名古屋市立大学, その他部局等, その他 (50106233)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 感染症 / 医療・福祉 / 看護学 / 医療安全 |
Research Abstract |
医療の高度化や高齢患者の増加による日和見感染の増加,伝染力の強い感染症の流行など感染症をめぐる様相は急激に変化している.本研究の目的は,その医療機関だけでなく地域の医療安全管理体制の整備に向けた取り組みとして,外来機能の強化による医療関連感染が減少する地域全体の連携システムの継続・開発と評価を行うことである.外来機能の強化による医療関連感染の減少に向けた地域全体の連携システムの開発を継続・発展させ,さらに評価することである. 今年度は,同一の医療圏にある2施設における外来職員324人の職種別(医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・診療放射線技師・受付職員・清掃職員)の感染予防行動,感染症に関する情報源(院内・院外)の質問紙調査のデータ解析を行った.医療職(n=254人)と非医療職(n=70人)別に感染予防行動を比較したところ統計学的に有意差があったのは,①業務開始時の手指衛生,②咳・くしゃみのある患者にマスクを渡す,③咳・くしゃみのある患者に手指消毒を指導する,④血液や汚物に接触時,手袋をする,⑤血液や汚物に接触後,手指衛生をする,⑥患者の感染症情報を対応前にチェックする,⑦感染制御室のHPをみる,⑧感染予防対策マニュアルを見る,であった.医療職と非医療職別で感染症に関する情報源で統計学的に有意差があったのは,①電子カルテ上のHP,②インターネットであった.外来勤務時に「免疫を獲得しておく,もしくはワクチン接種をしたほうが良い」と考えている感染症では,麻疹・風疹・水痘・流行性耳下腺炎・インフルエンザ・B型肝炎の全てで医療職と非医療職間に統計学的に有意差があった.以上のような結果を踏まえて,学会などで最新の情報収集に務めると共に,外来職員用の質問紙調査の精度を向上するよう共同研究者間で検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外来職員の職種別の感染予防行動,感染症に関する情報源に関する質問紙調査において同一医療圏における2施設の結果を解析した.その結果,医療職/非医療職,40歳未満/40歳以上,感染経路に関する知識(0~7点)の高低別に統計学的有意差が得られ,外来職員の感染予防に関する行動等に関する動向・特徴を明らかにできつつある. 質問紙で「免疫獲得ができていなくてもワクチン接種をしない」と回答したものは46人であった.抗体実測値の判定結果と照合すると,風疹(陰性8人,判定保留2人)が最も多く,次いで麻疹,流行性耳下腺炎,水痘の順であった.陰性者および判定保留者は,記憶により自身が免疫獲得していると回答しているものが多かった.現在,風疹が流行していることを踏まえ,投稿準備を急いでいる. 職業感染や地域での感染症の流行などに関して学会に参加し最新情報を入手することにより,質問紙調査の精度を向上させた.現在までの調査結果の解析内容や次年度の研究計画の遂行に関して,共同研究者間で意見交換を行なった. また,医療関連感染予防のための外来機能や麻疹などを発症した患者・職員に関する調査のために,協働する感染管理の認定看護師/専門看護師の打診を開始している. 以上のことから,研究はおおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
1.同一医療圏にある病院で,病床規模や病院機能が異なる施設にて,外来職員の職種別の質問紙調査を継続・実施する. 2.職員の麻疹・風疹等の抗体測定,ワクチンプログラムへの参加に関する調査を継続・実施する. 3.専門看護師や認定看護師と協働して,医療関連感染予防のための外来機能や麻疹などを発症した患者・職員に関する調査を開始する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.職員の職種別の質問紙調査を継続・実施する. 2.職員の麻疹・風疹等の抗体測定,ワクチンプログラムへの参加に関する調査を継続・実施する. 3.専門看護師や認定看護師と協働して,医療関連感染予防のための外来機能や麻疹などを発症した患者・職員に関する調査を開始する.
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