2012 Fiscal Year Research-status Report
低負担ギャッチベッド背上げ姿勢の解明と姿勢補助具の開発
Project/Area Number |
24593244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
窪田 聡 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90433614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 豊 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (90194050)
窪田 光枝 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (70349900)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ギャッチベッド / 背上げ / ファーラー位 / 循環機能 |
Research Abstract |
研究背景:ギャッチベッドの背上げ機能は,身体を起こし半坐位(ファーラー位)姿勢をとるための機能であり臨床現場で広く用いられている.本機能は身体機能が虚弱となった者の生活を支援するための重要な機能である.このようなユーザーが背上げ機能を用いることから,背上げ時の半坐位姿勢は低負担であることが要求される.本研究の目的は,循環器系機能への負担の少ないベッド背上げ姿勢の条件を明らかにすることである. 方法:複数の半坐位姿勢を計測課題として設定し,そのときの胸郭インピーダンス,心電図,心音図,非観血連続血圧を測定した.被験者は健常な若年者と高齢者を対象とした.計測課題とした姿勢は,臥位(コントロール),体幹全体を60°傾斜させた姿勢(以下60°姿勢),上部体幹を軽度屈曲させた姿勢(以下上部体幹軽度屈曲姿勢:上部体幹60°・下部体幹30°)の計3つであった. 結果:高齢者,若年者ともに,収縮期血圧・平均血圧・拡張期血圧については3つの姿勢の間で有意差はみられなかった.しかし心拍数はすべての条件間(臥位と60°姿勢,臥位と上部体幹軽度屈曲姿勢,60°と上部体幹軽度屈曲姿勢)で有意差がみられ,60°姿勢で最も心拍数は高く,臥位で最も低くなった. 結論:若年者・高齢者共に,上部体幹軽度屈曲姿勢は60°姿勢よりも心拍数を抑えることが可能な姿勢であることが示唆された.今後は胸郭インピーダンスの解析を行い,心拍出量,末梢血管抵抗についても検討していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在,全ての循環器機能についての指標による評価が完了しておらず,計測結果から一回拍出量の推定のためのさらなる解析を行なっている.一回拍出量推定のためには,インピーダンス波形と心音図より左室駆出時間の算出が必要となるが,一回ごとの心拍動のデータから手作業で抽出するため,多くの時間が必要となっている.今後この点について,プログラミング等による自動化の処理を進め,研究を加速させていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,若年者・高齢者の循環量についての解析と自律神経指標についての解析も合わせて行い,上部体幹軽度屈曲姿勢についての有用性の検討を行なっていく.さらに,結果にもとづき,姿勢補助具の開発に着手する.特に,補助具の着手に当たっては身体と補助具の間で発生する圧力分布と主観に着目し,圧分散性の高く,心地良い補助具の開発を行う.さらに開発した補助具をベッド上で使用し,循環動態について実験ベッドと同様の結果が得られるかを検討していく予定である. また,研究成果を社会に広く発信していくため,論文や学会発表のための費用としても活用予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
補助具制作費,および圧力分布・主観評価のための被験者参加費用を主な支出として見込んでいる.
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