2013 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者を介護する女性の就労の有無による社会的損失
Project/Area Number |
24593248
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
仁科 聖子 順天堂大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40449062)
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Keywords | 女性介護者 / 就労 / 介護時間 / 家族支援 / 訪問看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者の在宅介護者の就労に影響を与える要因を明らかにすることである。研究対象者は、介護開始前に就労していた98名の介護者で、年齢は平均54.9歳(標準偏差±7.0)であった。うち、就労者は69名(70.4%)、離職者は29名(29.6%)であった。離職者では、被介護者の要介護度が、就労者より重度であった(p<0.05)。同じく、介護者の年齢が高く(p<0.05)、女性の割合が少なかった(p<0.05)。離職者は、就労者より介護時間が長く、家族による協力が得られていなかった(p<0.05)。ロジスティック回帰分析では、介護時間(OR 0.99, 95%CI 0.98-1.00)、介護者の年齢(OR 0.80, 95%CI 0.71-0.91)、訪問看護サービス(OR 0.19, 95%CI 0.05-0.75)が、就労と負の関係であるのに対して、家族の介護協力は就労と正の関係があった(OR 5.23, 95%CI 1.41-9.34)。また、要介護度は介護時間と有意な相関があった(r=0.38, p<0.001)。以上より、被介護者の要介護度が重度になると、介護者の介護時間が長くなり離職に至ると考えられた。また、介護者の年齢が若いことおよび家族からの支援は離職を緩和すると推定された。さらに、離職により訪問看護サービスの利用が促進されたと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の初めから調査を開始し、平成25年度は、平成24年度に得られたデータからデータ分析を行った後、論文を作成した。計画通り順調に研究が進んでいる状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、報告書を作成し、研究協力機関や対象者へ研究成果を報告するための準備を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究発表が東京都内で行われたため、交通費がかからなかったため。 平成26年度は、研究協力団体に所属する対象者と交流を図り、インタビューを行って調査票を見直し、今後の研究につなげていく。報告書を作成して研究協力機関に発送する。
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Research Products
(1 results)