2014 Fiscal Year Annual Research Report
看護基礎教育における模擬患者参加型教育プログラムの開発
Project/Area Number |
24593256
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
遠藤 順子 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (50433610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 恵子 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (50438074)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護基礎教育 / 模擬患者 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度は、看護基礎教育における模擬患者(以下SP)活用の様相を把握するため、学生・SP・教員のそれぞれに焦点を当てた実態調査を実施した。その結果、看護教育におけるSP活用の状況は、SPの養成背景、演習内容、SP一人当たりの学生数など多様であることが明らかになった。また、「生きた教材」であるSPの特徴を活かしながら、学生のマイナス反応にも留意したプログラムを検討する必要性が示唆された。 平成25年度は、従来のプログラムを平成24年度の研究結果に基づき修正した教育プログラム試案を作成、実施した。SP活用における学生の経験と教育効果の関連を具体的に検討した結果、演習におけるSPへの看護師役体験のない学生の方が、客観的に事実を捉え学習動機を強める一方で、看護師役体験のある学生は、SPに援助を行う緊張感や責任感から否定的な感情を生じやすいことが示唆された。また、援助後のSPからのフィードバックは、多岐にわたる学習効果に関連することが明らかになった。 平成26年度は、平成24、25年度の研究結果を基盤とし、改訂版教育プログラムを作成、実施した。教育プログラムは、①SP・学生・教員に対するオリエンテーション、②学生同士による演習、③SP活用演習前の課題の提示・グループ学習、④演習時の反復学習、⑤演習時のディスカッション、⑥演習時のグループにおける役割の明確化、⑦SPのフィードバック、⑧演習後のリフレクション、⑨SP・学生・教員に対するSP活用演習のフィードバック、⑩問題発生時のフォローアップ、⑪教育効果の確認と改善への検討の11の主要な要素から成る。この教育プログラムを看護系大学1、2年生に実施し、学習進度による学習効果の差異を検討した結果、有意差は認められなかった。このことから、プログラム改善・発展のための実用重視型評価および即時的評価による内容妥当性が示唆された。
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