2012 Fiscal Year Research-status Report
直腸がん患者のQOL向上を目指した排便障害セルフケア支援のための介入研究
Project/Area Number |
24593301
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木下 由美子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30432925)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
壬生 隆一 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20200107)
川本 利恵子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40144969)
樗木 晶子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60216497)
中尾 久子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80164127)
宮園 真美 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10432907)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 直腸がん / QOL / 症状マネジメント / 自尊感情 / 排便機能障害 / 内肛門括約筋切除 / 超低位前方切除 / 低位前方切除 |
Research Abstract |
我が国での大腸がんの罹患率の増加は著しく、2015年には男女共にがん罹患率の1位になると推定される。大腸がんの中で直腸がんの占める割合は約4割と最も高い。下部直腸がんに対しては、直腸切断術(人工肛門造設術)が標準治療であるが、近年では技術の発達 と永久的人工肛門を造設する心理的負担が考慮され、内肛門括約筋切除術や超低位前方切除術(歯状線の口側2cm以内で吻合する術式)が行われている。これらの手術では一時的人工肛門の造設が行われ、人工肛門閉鎖後には便失禁・排便の不規則性などの排便障害の重症化や遷延化が懸念されている。さらに排尿・性機能障害によるQOLの低下も起こりうる。集学的療法を受ける際には、排便障害が重症化することが多く、入院期間短縮により患者は不安の強いまま外来通院に移行し試行錯誤しながら日常生活を送っているのが現状である。 申請者は、H21~H23年基盤研究(C)「直腸癌で超低位前方切除術を受けた患者の排便障害支援システム構築に向けた基礎的研究」において術後2年間の縦断的研究を実施し、超低位前方切除術群は、低位前方切除術群に比べて排便障害が有意に重症であること、QOL(SF36)項目では、精神的健康度の低下が著しく、重回帰分析の結果QOLの項目には「排便障害」と「自己受容」が最重要の項目として有意に挙げられるという結果を得た。これらの結果をもとに本研究では、肛門温存手術後患者のQOLの向上を目指して「直腸がん患者のQOL向上を目指した術後排便障害セルフケア支援のための介入研究」として、①排便障害のセルフケア支援に向けた専門的情報提供を中心とする介入研究を行い、②得られた基礎データから外来看護ガイドラインを作成し、チーム医療の充実を図ること、③研究成果を社会に発信して、直腸がん患者のサポートネットワークを構築することが目的である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請当初、申請者は、H21~H23年基盤研究(C)「直腸癌で超低位前方切除術を受けた患者の排便障害支援システム構築に向けた基礎的研究」において術後2年間の縦断的研究を実施して、これらの研究結果をもとに本研究では、肛門温存手術後患者のQOLの向上を目指して、本年度は①排便障害のセルフケア支援に向けた専門的情報提供を中心とする介入研究を行い、②得られた基礎データから外来看護ガイドラインを作成し、チーム医療の充実を図ること、③研究成果を社会に発信して、直腸がん患者のサポートネットワークを構築する計画であった。しかし、H21~H23年の基盤研究(C)「直腸癌で超低位前方切除術を受けた患者の排便障害支援システム構築に向けた基礎的研究」では対象者が十分に確保できなかったため、H24年度まで期間を延長して、十分なデータ確保を行った。そのため本研究の計画がやや遅れているのが現状である。
|
Strategy for Future Research Activity |
実習のフィールドも確保できて事前に交渉を進めており、本年度中に倫理申請を行い、本研究を実施する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度で次年度使用額 差引額(a-b) 21,451円となったのは、入力ミスの後にその入力の削除ができていなかったためであり、今後は計画通りに執行予定である。
|
Research Products
(2 results)