2013 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルサポートによる喉頭摘出者の心理的・社会的適応の経時的変化と介入効果検証
Project/Area Number |
24593333
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小竹 久実子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90320639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60362472)
甲斐 一郎 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (30126023)
岩永 和代 福岡大学, 医学部, 講師 (40461537)
高橋 綾 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (70331345)
永松 有紀 産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (20389472)
羽場 香織 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (90419721)
川本 利恵子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40144969)
山田 雅子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (30459242)
宮園 真美 九州大学, 医学研究院, 講師 (10432907)
原田 朋代 久留米大学, 医学部, 講師 (50398533)
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Keywords | 喉頭摘出者 / ソーシャルサポート / 心理的適応 / 社会的適応 / 喉頭部周囲がん |
Research Abstract |
【目的】退院1年後の喉頭摘出者の生活の実態と課題を明らかにして、看護援助への基礎資料とする。【方法】対象は、術前から退院1年後まで調査に協力が得られた喉頭摘出者で、面接に同意が得られた患者4名、家族1名の計5名である。半構成的面接法で行い、「退院後の生活実態」について語ってもらい、分析は、質的帰納的に行った。【結果】平均年齢64±1.8歳、男:女3:1、家族構成2人3名、5人以上1名、職業有2名であった。語りの内容のテーマが、「健康状態」、「喉頭摘出後の生活に対する思い」「専門職に望む支援」であった。健康状態は、〈食事摂取の障害〉〈コミュニケーションの障害〉〈頸部の障害〉〈便秘〉〈人との関係を避ける精神状態〉等8つに、喉頭摘出後の生活に対する思いは、〈がんとのつきあいがエンドレスな状況に対する怒り〉〈スムーズに息ができなくなる感覚からくる恐怖〉〈職場復帰への諦め〉〈伝えたいことが伝えられない辛さ〉〈生活の中の楽しみが奪われる寂しさ〉〈専門職からの助けの感謝〉〈治療費がかさむ負担感〉〈制度の手続きの面倒さ〉等15に、専門職に望む支援は、〈定期的な面接をしてほしい〉、〈経済的サポート体制を事前に教えてほしい〉〈入院中に介護保険の申請を教えてほしい〉〈緊急時の具体的な対応方法をあらかじめ教えてほしい〉等8つに分類された。 特に緊急時の対応方法では、家族は、自分が倒れた時には電話などで救急車を呼んでもらえず(声を出せないので)、そのまま死ぬのではないかという恐怖があったとのことであった。【考察】退院1年後に至っても、がんに対する不安や恐怖、食事など生活や経済に対する問題が生じていた。喉頭摘出者へのサポートとして、専門職への感謝という点から専門家からの面接を定期的にもつこと、家族のことも配慮した情報提供、不安を受け止める、はげましの言葉をかけることが看護介入として有効であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各病院の倫理審査が長引き、3月または4月から調査開始となるが、4箇所の病院が審査で承諾を得ることができたことから、4箇所からのデータ収集ができる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理審査の承認が完了したため、4月から調査が開始となる。会議を毎月開催しながら、調査の進捗状況を確認し、介入を行っていく予定。今年度は、ホームページを立ち上げて、情報を公開する予定である。 旅費:毎月の会議・抄読会開催・定例会議(11月下旬)、各病院調査開始の打ち合わせ(4月)および進捗状況(8月)、学会参加発表(香港、名古屋) 会議費:定例会議費・会議室費(4月~3月) 論文英文校正費(12月)、文具代、図書費(文献・書籍) 報告書冊子作成費(協力いただいた病院および冊子を患者へ配布予定100冊)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
26年度に日本看護科学学会参加発表および会議のための旅費が不足する可能性があり、25年度は使用を抑えて26年度使用できるようにしたため。 日本看護科学学会参加のための旅費および学会参加費、九州への調査および会議として使用する。
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Research Products
(13 results)