2014 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルサポートによる喉頭摘出者の心理的・社会的適応の経時的変化と介入効果検証
Project/Area Number |
24593333
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小竹 久実子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90320639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60362472)
甲斐 一郎 東京大学, 人文社会系研究科, 研究員 (30126023)
岩永 和代 福岡大学, 医学部, 准教授 (40461537)
高橋 綾 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (70331345)
永松 有紀 産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (20389472)
羽場 香織 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (90419721)
川本 利恵子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40144969) [Withdrawn]
山田 雅子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (30459242)
宮園 真美 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (10432907)
原田 朋代 久留米大学, 医学部, 講師 (50398533)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 喉頭摘出者 / 後頭部周囲がん / 心理的適応 / QOL / 社会的適応 / ソーシャルサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】本研究の目的は、術前から退院6ヶ月後まで、ソーシャルサポート介入を行って、心理的・社会的適応の側面から介入効果を検証し、喉頭摘出者のQOLの向上を図ることである。 【研究方法】対象は、喉頭摘出を受ける患者61名を分析対象とした。非介入群50名を、介入群11名を分析対象とした。術前から6か月後の経時変化の有無を検討した。調査内容は、心理的適応とQOLをアウトカムとして、インフォーマルとフォーマルサポートと職業の有無を観察した。介入群には、術前にガイドブックと緊急時の対応カードを配布し、退院後の生活に関する情報提供を行い、その効果を検討した。 【結果】ガイドブックを配布された患者は、ガイドブック配布なしに比べて、身体機能が術前13.1点、退院6ヶ月後21.9点程開きがあり状態不良であった。日常役割機能身体と精神は、術前5~6点、退院6ヶ月後に26.3点程開きがあり共に低かった。日常役割機能身体は、退院3か月後に両群20点台で低かった。社会生活機能は、介入群のほうが退院3ヶ月後と6ヶ月後に20点台で低かった。自己効力感は、有職者のほうが無職者より低い結果であった。フォーマルサポートは、介入群に退院6ヶ月後まで下降傾向がみられ、退院6ヶ月後は50点前半となり非介入群と20点近く差がみられた。 【考察】介入群は、術前から状態不良である患者の参加がみられた。これはガイドブックと携帯用緊急時対応カードが配布されるメリットがある影響だと考える。自己効力感は、有職者のほうが無職者よりも低い結果であり、術前の時とは違う状態であることから、思うように仕事が進まないなど達成感が得られない可能性が考えられる。また、肉声による会話の喪失により、今までにない視線を周囲からあび、リストラの恐れを感じ、自己効力感の低下がある。有職者にとって、職場復帰は、想像以上の難問であり、失声障害の理解が得られる職場環境の調整が必要であると考える。
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Research Products
(8 results)