2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
蝦名 智子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (50583738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏倉 幾郎 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00177370)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 臍帯血 / 分娩 / 臍帯動脈pH / 8-OHdG / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究の目的は、母体と胎児をつなぐ臍帯血に着目し、妊娠・分娩に関連する母子情報とと各種ストレス関連物質と、胎児の健康や発育状態との関連性について評価・解析し、出生後の児が心身ともに健康に発育・発達するために妊娠中の母親への支援を向上を目指すことにある。この課題解明に向けて次の3項目を主題に研究活動を展開した。1.周産期関連因子と臍帯動脈pH・ガス分析値との関連性、2.周産期関連因子と臍帯血中に含まれる各種ストレス関連分子との関連性解析、3.各種ストレス関連分子と児のかつ行くとの関連性解析。平成24年度の研究結果、以下の点を明らかにし、報告した。 1.出生前の胎児の状況を反映する臍帯動脈pH・ガス分析値と臍帯血中に含まれる幹細胞数の関連について解析したところ、臍帯血中の有核細胞は臍帯血動脈pHが低いほど有核細胞数が増加する傾向が認められた。一方、CD34陽性細胞と臍帯動脈pHには関連性が認められなかった。分娩時における胎児の低酸素ストレスは、臍帯血中の幹細胞数に関与することが示唆された(Jounal of Obstetrics and Gynacology Research,38:997-1003) 2.臍帯血動脈pH・ガス分析値が、臍帯血採取をする際の選択基準に成り得るか検討した。有核細胞数と臍帯動脈pHとの間には関連性が示され臍帯血動脈pH・ガス分析値は臍帯血採取の選択基準に成り得る可能性が示唆された(Journal of Health Science Research,2:1-8) 3.DNAの酸化損傷の指標である8-OHdGに着目し、臍帯血中の8-OHdG値と周産期因子の関連を解析した。分娩時の影響は認められなかったが母体の喫煙が胎児の8-OHdG生成に関与することが示唆された(Experimental and Therapeutic Medicine,4:387-390)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の課題解明に向けて取り組んだ結果、臍帯血中のストレス関連分子が臍帯血中の幹細胞数に関連することや、母体因子が胎児の酸化的損傷に影響することについての知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、母体の生活習慣および胎児の発育と酸化ストレスとの関連性を明らかにし、出生後の児が心身ともに健康に発育・発達するために母親への支援の向上を目指す。 前年度に引き続きデータ収集を進めるとともに以下の3項目について解析を行う。 1.周産期関連因子と臍帯血ガス分析値との関連性解析:妊娠中の母体データと母体及び胎盤機能の状態を反映する臍帯動脈血pH・ガス分析値を解析し、分娩時のストレスとの関連性を検討する。 2.周産期関連因子と臍帯血に含まれる各種ストレス関連分子との関連性解析:周産期に関わる母子の因子と臍帯血動脈血の各種ストレス関連分子と児の発育との関連性を解析する。 3.臍帯血に含まれる各種ストレス関連分子と児の発育との関連性解析:各種ストレス関連分子と生後1か月の発育状態との相互関係を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は、臍帯血採取数が十分に確保できなかったため、ストレスマーカー測定及び解析に使用する物品費、解析補助経費に残額が生じた。また、それに伴い予定していた打ち合わせ及び学会参加ができなっかたため旅費に残額が生じた。 本研究を遂行するために今年度は、①データ収集・解析補助経費(謝金)、②各種ストレス関連分子測定用のELISAキット及び酸化ストレス及び抗酸化力評価のためのアッセイキット・データ解析ソフト購入費、③実験及び研究打ち合わせのための旅費、研究成果の学会発表および投稿費に使用する。
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Research Products
(4 results)