2014 Fiscal Year Annual Research Report
未成年の子どもを持つ母親の病いと共に生きるプロセスに関する領域密着型理論の構築
Project/Area Number |
24593364
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
近藤 真紀子(前田真紀子) 岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (70243516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 典子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (90290478)
黒田 久美子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (20241979)
齋藤 信也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (10335599)
大浦 まり子 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (40321260)
山田 隆子 岡山大学, 保健学研究科, 助教 (60382363)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 慢性期看護 / 家族看護 / 親子関係 / 理論構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
子育て期の母親が病いを有することは、母親のみならず子どもへの影響が大きい。本研究では、グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を用いて、未成年の子どもをもつ壮年期の母親が、どのように病いと共に生きるのかを詳述する領域未着型理論の構築を試みた。 がんを有する母親7名、第2子の切迫早産中の母親5名、慢性的な経過を辿る疾患(糖尿病・膠原病・脳神経系術後の後遺症)を有する母親6名を対象に、in-depth interviewを行い、継続比較分析を行った。 疾患の種類に関係なく、病いをもつ母親に共通する体験は、【体調不良・入院時の母親役割代行者の手配】【発病による子どもの現在・将来への悪影響を減らす方策】【家事育児・仕事・看病を担う夫・両親の過労の心配】などに集約された。母親は、病いによって自ら遂行できなくなった母親役割をどのように委譲するのか、また委譲に伴う養育者(夫や両親)と子どもへの影響に苦慮していた。また、子どもに関しては、母親の発病が、現在のみならず将来に影響することを苦慮していた。上記の共通する体験に加えて、疾患別の母親の体験の特徴が示された。例えばがんであれば、母親自身の死を強く意識することによって、子どもの将来を心配する、第2子の切迫早産であれば、第2子の命を守ることを第一優先に意思決定する、脳神経系術後の後遺症であれば、緊急の症状発症時に子どもの存在を心強く思う一方、母親の症状発症に直面する子どものトラウマを恐れる、などであった。
|