2013 Fiscal Year Research-status Report
産褥期に残存していく乳房硬結の超音波スクリーニング方法の開発
Project/Area Number |
24593366
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中尾 優子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40325725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 和代 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00194069)
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Keywords | 乳房硬結 / 超音波診断 / 産褥 / 母乳 / 乳房トラブル |
Research Abstract |
超音波画像により、乳房内の変化を見ることで外側では判断できない乳房内の形や様相(乳腺の深さ、乳管拡張像や豹紋状パターン、腫瘤の有無等)が前研究で明らかとなり、本研究では産褥早期に発生する乳房硬結の特徴を明らかとすることを目的とした。 結果、24名の母親を対象に産褥早期の画像撮影を行い、うっ積からうつ乳に変化する乳房内の特徴が明らかとなった。また、11名の母親に対し、1か月検診時の画像撮影を継続し行い、均質画像の有無や乳房の深さの変化により、産褥期の乳汁量や残存する乳房硬結存在の予測が可能になる可能性が明らかとなった。 一方で、産褥期の直接授乳前後において乳腺組織の厚さを計測し変化があるのか、変化がある場合、その変化と哺乳量との間に関連はあるのかを検討することを目的とし、授乳前後の乳腺幅の計測を行った。対象者は初産婦15名、経産婦33名で最終的解析数は、乳房数91であった。直接授乳前後の乳腺組織の厚さを超音波診断装置で計測し分析を行った結果、授乳前に比べ授乳後は乳腺組織の厚さが有意に減少した。また、授乳前後の乳腺組織の厚さの差と哺乳量の関連については、初産婦において相関があった。この結果は、乳頭刺激により血液循環が促され,乳房内の乳腺実質のゆるみが生じ授乳前と授乳後で乳腺組織の厚さの変化が起こる可能性が示唆された。さらに,今回の結果により,産褥早期において初産婦はうっ積からうつ乳にまではなっているが,わき乳までには至っていないこと,経産婦ではうつ乳の時期も過ぎ,わき乳の状態になっていることが超音波画像上示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
産褥早期の乳腺組織の厚さについて、調査を終了し、経過を関連学会で発表することができた。画像上の疑問については、適宜、専門家のアドヴァイスを受けることができている。また、うつ乳とうっ積、産褥早期と1か月健康診査の画像の比較を行い、産褥期の基礎画像も収集でき、分析も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに収集したデータの解析と専門家への確認、今年度までの結果の発表(国内外)、論文執筆を随時行っていく。大学移動のため、研究環境を整え、乳房トラブルを起こしている乳房画像のデータ収集を引き続き実施していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①データ解析のアドヴァイザーへの謝金が予定回数を下回った。②データ収集を関連調査も含め、今年度は2件実施した。そのため、詳細なデータ整理の人件費が今後必要となった。 次年度の使用予定額に加え、うっ積画像の見解が一致するかなど詳細な専門家からのアドヴァイスが今後回数多く必要となる。そのための謝金とデータ整理のための人件費が必要となる。
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Research Products
(6 results)