2014 Fiscal Year Research-status Report
産褥期に残存していく乳房硬結の超音波スクリーニング方法の開発
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24593366
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中尾 優子 鹿児島大学, 医学部, 教授 (40325725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 和代 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00194069)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳房硬結 / 超音波診断 / 産褥 / 母乳 / 乳房トラブル |
Outline of Annual Research Achievements |
産褥早期と産後1か月の両方の超音波画像が得られ、産後1か月時に母乳栄養であった初産婦6名、経産婦2名の11名を研究対象とし、画像分析を詳細に行った。 産褥早期(2~4日目)に比較し、産後1か月では乳頭横の乳腺幅が有意(p<0.05)に減少し、乳汁貯留像の直径が増大していた。また、産褥早期には粗目(細かい点状)の画像が多く見られたが、産後1か月では、線葉境界面が明確となり、周囲間質と浮腫状間質の違いがより鮮明となった。 産褥早期はうっ積やうつ乳により、乳房内全体に血液や乳汁が貯留し、間質の違いが不明になったと考えられる。産後1か月では湧き乳への変化が見られるため、うつ乳でない時は、乳房内画像において乳腺幅は減少し、線葉境界面や間質は浮上し、小葉を含んだ周囲間質と脂肪を含んだ浮腫状間質の違いが明らかになった。また、画像を縦断的に比較することにより、産褥早期に見られるうっ積による硬結画像の特徴を示唆することが出来たと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
産褥早期に特有な乳房うっ積の超音波画像の特徴を捉えることが出来た。周囲間質と浮腫状間質の画像の現れ方については、産褥早期と産後1か月では、画像が大きく異なるため、研究者間で分析を進めているところである。乳腺幅の減少については、産褥早期での授乳前後の差が初産婦において有意であることと産褥早期と1か月後の授乳前において有意な差があることがわかった。授乳期の乳房内画像の基礎的データと解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、データの解析をさらに進め、国内・国際学会で発表予定である。また、原著として関連学会誌に投稿予定としている。 うっ積の画像上の変化については、縦断調査を行い、間質の違いを明らかにしていくことが必要である。また、うっ滞の乳房内画像においても症例研究として、データ収集を行っていく。エラストグラフィ画像で硬さ情報を得ることが出来れば、この研究は大きく飛躍することができるが、準備環境が難しいため、今後その方策も練っていく。
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Causes of Carryover |
研究者が大學を移動したため、雇用計画が予定と異なった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、研究の総括を行うため、書類整理と論文作成のための雇用を長期間行う。データ解析のアドヴァイザーを訪室し、アドヴァイザーからの意見をもとめ、積極的に論文投稿を行っていく(アドヴァイザーへの謝金)。
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