2015 Fiscal Year Annual Research Report
出産後の夫婦の相互作用を促す予期的看護支援プログラムの構築
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24593376
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
塩野 悦子 宮城大学, 看護学部, 教授 (30216361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 功子 東京医科歯科大学, 医学部保健衛生学科, 教授 (20194102)
山田 志枝 山形大学, 医学部, 助教 (50568798) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 両親クラス / 夫婦 / 産後 / 相互作用 / 介入研究 / プログラム / 2つのゲート |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、産後夫婦の相互作用を促す予期的支援プログラムの介入研究を昨年度より引き続き実施し、その有用性を検討した。プログラムは両親クラスに参加する初妊夫婦が対象で、「2つのゲートを開くこと」をキーコンセプトとした寸劇を通じて、産後の夫婦のあり方を予期的に学習することを目的としている。調査対象は、妊娠期と産後の2回の調査協力者とし、介入群54組、対照群112組の協力を得た。介入の評価には(A)夫婦満足尺度(諸井)、(B)夫婦間の愛情尺度(菅原・託摩)、(C)CES-D(抑うつ状態自己評価尺度)の3尺度を使用した。介入群の産後調査項目に本プログラムの記憶と役立ち度(4尺度)、および理由(自由記載)を入れた。分析はSPSS Ver.22で統計的処理を行った。 その結果、(A)夫婦満足尺度においては、両群共、産後に有意に低下していた。(B)夫婦間の愛情尺度においては、両群共に産後に有意に低下したが、介入群の妻の低下の傾きが有意に少なかった。(C)うつ尺度は両群、男女共に、産後にうつ傾向が高くなるが、男性に比べ有意に女性のうつ傾向が高くなっていた。また、介入群の85%が本プログラムが産後に役立ったと回答していた。 その他、背景項目との相関を見てみると、里帰り先が県外の場合は妊娠期のうつ尺度が有意に高く、夫立会い分娩は妊娠期および産後のうつ尺度が有意に低く、児が要治療の場合、母親の産後の肥立ちが遅い場合、産後のうつ尺度が有意に高かった。 以上より、本プログラムに関わらず、産後に夫婦満足度が低下し、うつ尺度が高くなるという点では他研究と同様であったが、夫婦間の愛情尺度においては効果があり、妻の夫への愛情の低下を抑えることが可能であることが明らかとなった。すなわち産後の夫婦の相互作用が促されたと考えられ、「産後クライシス」歯止めの1つの方法として本プログラムを周知していく根拠が得られたと言える。
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Research Products
(1 results)