2013 Fiscal Year Research-status Report
健康障害をもつ子どものきょうだいの適応を促すための介入プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
24593383
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
石川 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (70312965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 千晶 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (70347376)
西野 郁子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80279835)
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Keywords | きょうだい / きょうだい支援 / 子ども / 家族 |
Research Abstract |
健康障害をもつ子どものきょうだい(以下、きょうだい)が経験する生活上の変化や家族関係の変化への適応を促す介入プログラムを開発することを目的に、平成25年度は介入プログラム開発のための情報収集として、①対象への調査と②実践における取り組みの視察を行った。 ①対象への調査は、アレルギー疾患の子どもの患者会に所属する親12名を対象とし、子どものアレルギー疾患に伴うきょうだいの生活上の変化、行動の変化について半構成的面接を実施した。食物アレルギーの診断・治療に伴い、きょうだいは家庭での食事やおやつ内容の変化、外食の機会の減少、アレルギー疾患の子どもの世話や食事の配慮に親が時間をとられること、アレルゲン除去のためにきょうだい自身が手洗いを促されること、それまで行っていた食器洗いの手伝いをやめること等を体験していた。このような体験のなかできょうだいは、買い物の際にアレルゲン表示を気にして食べ物を選ぶ、きょうだいで共に食べられるものであるかを親に確認する、食べたいものを我慢する、食べることの我慢に対する不満を言動で表すといった行動を示していた。アレルギー疾患の子どもの治療や配慮に伴い、ともに生活を送るきょうだい自身も様々な影響を受けており、きょうだいへの支援を検討していく必要性が考えられた。 ②実践での取り組みについては、きょうだい支援の実情について知見を深めることを目的に、英国の2つの病院・1施設を訪問し、支援の場の見学や担当スタッフとの情報交換を行った。各病院・施設では、きょうだいも援助の対象として位置づけられており、病院・施設内で各専門職が関わっていた。またきょうだいに向けたパンフレット等のツールや援助プログラムが整備・実施されていることも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
収集した情報を基に、介入プログラムの開発を予定していたが、情報収集・整理が遅れたため、25年度は開発に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
健康障害をもつ子どものきょうだい(以下、きょうだい)が経験する生活上の変化や家族関係の変化への適応を促す介入プログラムを開発することを目的に、平成26年度は介入プログラムの試作と妥当性の検討、対象者への介入の試行および評価を行う。 1.介入プログラムの試作と妥当性の検討 前年度までに収集した情報を基に、介入プログラムを開発する。介入プログラムには、きょうだいと親への援助指針ときょうだいへの情報提供ツールを含めた内容を計画している。さらに、試作した介入プログラムの妥当性を検討するため、小児看護学・チャイルドライフ・子どもを対象とした感性工学・心理学の専門家と専門家会議を実施する。 2.対象者への介入プログラムの試行と評価 介入プログラムに基づき、きょうだいへの援助を実施する。実施後、対象への面接調査を行い、介入プログラムの短期的な効果を調査する。分析結果より、介入プログラムの評価を行い、今後の臨床での活用について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
介入プログラム開発のための情報収集の推進が遅れてしまったため、平成25年度に計画していた介入プログラムの開発の予定が遅れてしまったた。そのため、当初使用を計画していた介入プログラムでの情報提供ツールを作成するための物品費・研究協力者への謝金・打ち合わせのための旅費の使用予定が遅れてしまった。 平成26年度は、介入プログラムでの情報提供ツールを作成するためのソフトウェアや機材を購入する物品費、開発補助者への謝金を使用する。さらに、試作する介入プログラムの妥当性検討のための専門家会議を開催するため、研究協力者への謝金と旅費を使用する。 検討を行った介入プログラムの試行を行うため、研究協力者への謝金と旅費を使用する。 前年度に引き続き、最新の関連文献を入手するための費用とデータ整理等に関する事務的な作業に関して研究補助者の人件費を使用する。
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