2013 Fiscal Year Research-status Report
分娩直後のカンガルーケアに関する研究~母子関係行動分析と生理学的指標を用いて~
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24593406
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
立岡 弓子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (70305499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 真理 北里大学, 看護学部, 教授 (20216758)
香取 洋子 北里大学, 看護学部, 准教授 (90276171)
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Keywords | 早期母子接触 / 低体温 / 母子相互作用 / 行動分析 |
Research Abstract |
【目的】出生直後の早期母子接触中の母子の相互作用の視点から行動分析を実施し、Well-beingな状態で出生した新生児と母親の接触中の実施場面を5感を用いた愛着行動について時系列に分析し、行動パターンの応答性と新生児の交感神経・副交感神経系の生理学的データとの関連性を検証した. 【方法】研究協力施設の理事会・研究倫理委員会の承認を得て、母親とその家族の同意を得た.調査期間は2013年9月~2014年1月.研究対象は、1分後アプガールスコア8点以上とし、臍帯血ガスにアシドーシスを認めない新生児とした.研究に参加した母子は28組であり、分娩直後からの継続的な体温測定、脈拍、呼吸、酸素飽和度の持続モニタリング、血糖値の測定を実施し、分娩台から1メートル離れた場所から接触場面のビデオ画像を30分間撮影した. 【結果】母親28名のうち約75%は、早期母子接触後20分で睡眠・うとうと状態に入り、新生児も同様に開眼状態は減少していき、乳房探索行動はみられなかった.母親行動である(話しかけ)(世話)(満足に対する反応)は見られたが、うとうと状態に入った20分後には(児への刺激行動)には全く応答せず、(苦痛の調整)のみ見られた.新生児も(発声)することはなかったが、(視覚的行動)は母親の反応と同期ではないがみられた.早期母子接触場面において、相互作用の視点からは、母子の応答性の時間的相互関係はみられなかった.新生児の酸素飽和度は早期母子接触開始時には95%未満で経過したが15分後には正常化した.心拍数の変動については、出生後20分までは高めであったが平常化した.血糖値は35mg/mL以下の低血糖で推移することはなく、低体温の症状のなく経過した. 【考察】安全な保温効果につとめた早期母子接触では母児の身体的リスクは認められないが、5感を用いた母子相互作用を促す働きかけを積極的に実施していく必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力施設での研究倫理委員会では、出生後30分以上のビデオ画像の持続撮影と血糖値の継続的な生後2時間までの採血の認可がおりなかった.次年度は、出生直後の新生児の生後2時間までの覚醒時期を生理学的指標と行動分析を行えるフィールドを確保することが課題である.また、早期母子接触中の体位についても再考することで、母子の応答性が正確に調査できるようにさらに検討を重ねていく.
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Strategy for Future Research Activity |
早期母子接触中の母子の応答性の行動分析を乳房探索行動を促すことで、行動応答性の(哺乳)に焦点を絞って検討していくことで、より5感を用いた早期母子接触の効果について検証していく.その際には、保温機能に充実した早期母子接触の実施方法と応答性がみられるような看護者としての関わりの介入方法についても再検討して進めていきたいと考える.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、研究協力施設のおいて自律神経系の測定指標である新生児の唾液アミラーゼを採取することができなかった.したがって、唾液採取容器、アミラーゼ測定器の購入をしなかったため. 平成25年度は、唾液サンプルが収集できるように研究協力施設の承諾を得るようにまた、研究方法を再検討して進めていく.
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Research Products
(4 results)