2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24593411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
塚本 康子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60310554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 祥子 宮崎大学, 医学部, 教授 (40284921)
牛尾 禮子 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (80281525)
増田 明美 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (40390017)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮頸がん予防 |
Research Abstract |
平成24年度は、子宮頸がん予防対策担当者である保健センター保健師へのヒアリング、小学校・中学校養護教諭を対象に聞き取り調査を実施した。調査地は、がん予防対策の推進市である静岡県藤枝市と一般的な行政を展開する新潟県阿賀野市である。 阿賀野市では、中学1年生から高校3年生の女子で、3回の子宮頸がん予防ワクチン接種が終了しているのは78~91%と高率であった。接種までの手続きとしては、市から受診票と接種券を個別に郵送し、接種は個々で医療機関を選び予約、接種する。市からの接種勧奨はしていなかった。費用は無料。母親が子宮頸がん予防ワクチンは高額ということを知っており、無料で受けられることを理由に接種につながっているのでは、と保健師は分析していた。藤枝市では、費用として個人負担が2000円であり、中学1年生の接種率は57%であった。2市における予防ワクチン接種率の差について、さらに分析をしていく予定である。 養護教諭に対する聞き取り調査は、6校6人に実施した。学校教育の限られた時間の中で性教育・健康教育を展開しており、養護教諭として子宮頸がん予防を啓発していく時間はない、と述べていた。養護教諭自身も子宮頸がんや予防ワクチンに関する正確で的確な情報はもっていない、とのことで、研修の機会を希望していた。医師を講師として招き、性感染症や子宮頸がんの予防について啓発をしている中学校もあったが、学校によって取り組みはまちまちであった。現在、質的分析をしている。 今後は母親への面接調査をし、予防ワクチン接種の定期化前に実施した結果と比較しながら分析し、アンケート調査を実施していく予定である。それらの結果をふまえて、子宮頸がん予防対策モデルを構築していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、調査対象地は新潟市北区と藤枝市であったが、藤枝市との比較対象という意味で、新潟市北区から行政規模の類似している阿賀野市に変更した。阿賀野市でも調査協力について了解いただいた。阿賀野市と藤枝市の保健センター保健師へのヒアリングは終了している。現在、その内容を分析しており、まとまり次第、学会で報告する予定である。養護教諭への聞き取り調査は藤枝市では終了し、現在、質的に分析しているところである。この分析結果も学会報告する予定である。 母親への聞き取り調査については、遅れ気味ではあるが、計画は進んでおり、藤枝市での対象選定と依頼は終了している。聞き取り調査を開始する予定である。以上のことから、おおむね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
政府の方針により、平成25年4月から子宮頸がん予防ワクチンが定期化されることとなった。予防接種率に最も影響していたと思われる費用が無料化されることで、接種率は伸びていくものと思われる。平成25年度を境に、接種に関わる環境や接種率がどのように変化するかを、より多角的に分析していく必要があるものと考えている。平成25年度の予定としては計画していなかったが、さらに保健センター保健師へのヒアリング調査を加えていく予定である。 平成25年度には、分析結果を踏まえてアンケート調査を実施し、予防対策モデルを構築する。モデルが現在の社会情勢と齟齬のないように留意していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、女子を持つ母親への聞き取り調査を実施する。交通費と調査謝礼、テープ起こしにかかる費用として200,000円を予定している。アンケート調査については、印刷費と郵送料の費用として170,000円を予定している。学会報告と他国の情報収集のための費用として、学会参加費・宿泊費・交通費として450,000円を予定している。研究打ち合わせと分析のための会議費用、交通費として180,000円。その他、消耗品、コピー代、本代、資料整理のための謝金などに250,000円を予定している。
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