2013 Fiscal Year Research-status Report
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24593411
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
塚本 康子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60310554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 祥子 宮崎大学, 医学部, 教授 (40284921)
牛尾 禮子 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (80281525)
増田 明美 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (40390017)
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Keywords | 子宮頸がん / がん予防ワクチン / がん予防対策 |
Research Abstract |
平成25年度は、小学校・中学校養護教諭を対象に実施した聞き取り調査の内容分析をした。子宮頸がんとワクチンが教育内容として取り上げられていたのは6校中1校のみであった。取り上げていない理由として、時間がない、情報をもっていない、行政からの情報がない、学校は直接関与していない、小学校で教育することへの疑問、があがった。一方、研修を受けた中学校の教諭は、保護者を対象に予防ワクチンの案内と勧奨をしていた。課題として、養護教諭を対象とした研修会の開催、行政からの情報提供、行政と学校の連携、発達段階に応じた教育内容の検討、があがった。本結果は、第28回日本がん看護学会にて発表した。 また、平成24年ワクチン接種の定期化が決定される前に実施した子宮頸がん予防に関する母親の意思決定に関する聞き取り調査の内容分析をした。対象は、女児をもつ母親5人。子宮頸がん予防ワクチンを娘に接種するかしないかという母親の意思決定の様相として、不明瞭な情報のなかでのゆらぎ、信頼できる相手からの情報提供、娘を護る母親の役割、娘の特性とワクチン副反応に対する疑念、身近な人のがん体験とがん予防への期待、自治体による費用の差と時間的制限がカテゴリーとして分類された。本結果は、第33回日本看護科学学会にて発表した。 国の方針で、平成25年度から子宮頸がん予防ワクチンが定期接種となり無料化されたが、その後、ワクチン接種による副反応の問題で任意接種となっている。平成24年度に調査した母親に対して再び聞き取り調査をするという縦断的調査を実施した。さらに、母親への聞き取り調査の例数を増やした。また、外国における対応として、イギリスのシステムについて情報を収集した。これらの分析から予防モデルを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定では平成25年度にがん予防対策モデルを作成し、モデル試案に対するアンケート調査を実施、その結果から平成26年度にモデル試案を修正し、モデルを提案する予定であった。 しかし、平成25年度に国が定期化した子宮頸がん予防ワクチン接種による副反応がマスメディアで報道され、厚生労働省でも問題として取り上げ、ワクチン接種の勧奨を再度任意接種に変更した。予防対策モデルには不可欠であるワクチン接種に対する国の施策が流動的な状況となっていることから、状況の見通しが必要と考えた。今後の展開に対する見通しとともに母親に対する追加調査の必要性から、少々遅れている状況であるが、平成26年度には調査と分析を終了させ、研究目的を達成させたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度を境とした子宮頸がん予防ワクチン接種の任意接種から定期化、そして任意接種、という展開を、母親・養護教諭・行政への聞き取り調査から多角的に分析していく。その上で、予防対策モデルを作成し、アンケート調査を実施し、結果の分析から予防対策モデルを修正していく予定である。イギリスにおける子宮頸がん予防対策の現状も引き続き情報収集しながら、作成するモデルが現在の社会情勢と齟齬のないように検討していきたい。研究成果は学会で発表し、学会誌にも投稿を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の計画として、当初はイギリスにおける子宮頸がん予防対策のヒアリング調査を予定した。予算として、調査旅費の25万円を計上した。研究代表者が所属する新潟医療福祉大学とイギリスのイーストアングリア大学とが国際交流の締結をしており、イーストアングリア大学のギブソン教授からの情報収集が可能となった。その後、平成26年4月にはギブソン教授からガイドラインなどの情報を得ることができた。今後もイギリスの情報は収集可能であり、イギリスでのヒアリングは実施しないこととした。 成果発表として、1回の学会報告は計上してあるが、平成26年度はさらに学会発表を追加する。最終年であることから、学会発表には2人の参加を予定したい。
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Research Products
(2 results)