2012 Fiscal Year Research-status Report
行政保健師の多様なキャリアに対応したキャリア総合的な発達測定尺度の開発
Project/Area Number |
24593424
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐伯 和子 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 教授 (20264541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 美千代 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 講師 (50466447)
本田 光 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 助教 (80581967)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 保健師 / キャリア発達 / 尺度開発 / コンピテンシー / 職務満足 / 専門職アイデンティティ |
Research Abstract |
<研究目的> 家族規模の縮小と地域社会のケア力の低下は、従来、家族機能の一部とされてきた育児や介護を社会化し、社会保障の充実と相まって、行政の保健福祉サービス機能は拡大してきた。さらに、健康の危機管理など保健師の関わる業務は拡大している。効果的な現任教育と保健師のキャリア発達のために、職業人生のライフサイクルを通しての系統的継続的な現任教育に活用できるツールとして、中核要素と応用的要素を取り入れた総合的なキャリア発達を測定する尺度を開発することを目的とする。 <研究経過> 職業人としてのキャリア発達の考え方を文献で整理し、保健師の能力(コンピテンシー)と関連要因についての既存文献の検討を行った。また、尺度開発のために総合的キャリア発達の概念検討を行い、一元軸で測定可能な尺度の要因構成と項目の検討を行った。仮説として、対人支援能力、地域支援能力、施策化能力、管理能力、専門職アイデンティティ、職務満足の6因子が想定された。保健師としての誠実さ、コミュニケーション力、他者を信じる力、人を理解する力などの人間力ともいうべき能力の測定が課題となった。尺度の要件として、実務者が活用し易いことを重視し、項目数をできるだけ限定することを検討した。また、主要な関連要因として、属性に関する個人要因、職場に関する個人要因、認識や意思に関する個人要因、職場環境要因、社会的環境要因が文献から抽出された。尺度の外的基準としては「保健師の職務実践能力尺度」を活用することとした。 現在、一次調査のための調査票を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
尺度開発においては、当初の一次調査のための調査票の調査項目の設定の仕方によって、目的とする内容が測定できているか否かが問われ、一次調査の結果が本調査の結果を左右する。そのため、慎重に保健師の総合的なキャリア尺度について概念検討を行った。 キャリア尺度が一次元性を持つのか、また、次元性を持つのかが大きな課題となった。既存の調査結果の活用と改良版の作成という考え方から、総合的なキャリアの一次元での測定可能性の検討に時間を費やした。結果として、初年度に予定していた予備調査の実施にまで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究の進行計画:初年度に実施予定の一次調査の実施が遅れたため、研究経費を繰り越すこととなった。次年度当初に一次調査を行い、その結果の入力と分析を行ったうえで、本調査を実施予定である。一次調査は北海道内の保健師を対象に行う予定であるが、本調査は全国規模で実施予定である。一次調査の実施と並行して、本調査実施の準備を進めたいと予定している。本調査は平成25年度中に実施予定である。 2.方策:研究班会議を定期的に開催し、役割分担を明確にして、効率的に運営できるようにする。また、データ入力や調査票の発送など、業者委託可能な部分は委託を行い、順調に作業を進めたいと予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に一次調査を実施する予定であったが、調査票の作成に時間を要したため、一次調査を行うことができなかった。その結果、一次調査のための費用が未使用となった。 一次調査の実施:一次調査の実施に向けて、学内の倫理委員会の審査を受け調査の承認を得る。調査の対象は、北海道内の行政機関に勤務する保健師約500名とする。勤務する地域性と所属機関を考慮し、大都市、地方の中核市、小規模市町村、道立保健所を含むこととする。また、対象の年齢及び経験年数、職位、業務内容の多様性を確保できるようにし、所属もしく自治体単位で全数調査とする。無記名自記式の質問紙を郵送にて職場単位に配布し、回収は個別で大学宛とする。これらの印刷費、調査の郵送費、発送のための研究補助の費用に使用する。
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Research Products
(5 results)