2016 Fiscal Year Annual Research Report
participation support program development for community activities targeting elderly men after retirement
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24593425
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Research Institution | Yamagata Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
齋藤 美華 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (20305345)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 定年退職 / 高齢男性 / 地域活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、定年退職前の向老期男性が求める地域とのつながりの意味を探求し、概念を抽出し、抽出された概念を基盤にプログラムを開発することを目的としている。宅地造成に伴い人口が急増している政令指定都市内の新興住宅地A地区の向老期(40~60歳代)男性と町内会長、保健師に対し、インタビューと参加観察を実施した。インタビューは対面式にて1人につき60分程度とし、地域とのつながりに対する意見や考え、地域とどのようなつながりを持ちたいと思うか、町内会長や保健師には地区の概要や向老期男性の地域とのつながり等について自由に話してもらい本人の承諾を得て録音した。分析は、定年退職前の向老期男性が求める“地域とのつながり”に関する意味内容に着目し、その内容を表す最小単位の記述を抽出してコード化し、意味内容の類似性に基づき、カテゴリを組んでいった。その結果、A地区の向老期男性が求める地域とのつながりとして、《地区のしくみが把握できる》《地区内の人と顔見知りの関係が築ける》の2つのカテゴリが抽出された。さらに、前者の下位には<地区の行事が分かる><地区内での有事の際の対応が分かる><地区内の人の関係性が分かる>が、また後者の下位には<地区内で自身の存在を認めてもらえる><地区内の人とあいさつを交わせる関係になれる><イベントに関する情報交換ができる関係になれる>が抽出され、これらの概念を内包するプログラムの必要性が示唆された。ただし、本研究における向老期男性の求める地域とのつながりは、これまでの地域とのつながりを強く求める農村地域の高齢者や女性のものと異なり、一定の距離感を保有するものであった。このことはA地区が新興住宅地であるという特徴が影響しているものと考える。今後それらの要素を吟味したプログラムの検証が新たな課題として見出された。
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