2013 Fiscal Year Research-status Report
発達障害を危惧した「気になる子ども」の早期療育・虐待予防支援に関する基礎的研究
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24593432
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
田村 須賀子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (50262514)
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Keywords | 発達障害を危惧した気になる子ども / 家庭訪問援助 / 保健師の意図 / 保健師の行為 / 早期療育・虐待予防支援 |
Research Abstract |
本研究は、乳幼児健康診査や子育て相談の場で発達障害の可能性を危惧された「気になる子ども」と育児者へ支援における、家庭訪問を中心とした個別支援の特質を明確にし、発達障害の早期対応・子ども虐待防止のための指針を得るための基礎的研究を行う。 発達障害の可能性を危惧した「気になる子ども」と育児者への、熟練保健師(原則5年以上の実務経験)による家庭訪問を中心とした個別支援過程における、①保健師の意図と②保健師の行為を調べる。 昨年度までに、母子保健活動を担っている保健師(7名)から、保健師自身による記述、内容確認のためのインタビュー、その後の文章推敲・加筆修正により、保健師が内面で考えたことをも含む詳細な記述データを得た。 保健師の意図295件、保健師の行為1,576件を記述・内容整理・分析し、支援指針を検討した結果、1)育児を今後どうしたいか語られるよう、信頼関係を形成する、2)育児を放棄する可能性も想定しつつ、育児者の対応能力を引出し、療育生活を継続できるようにする、3)育児者の児への肯定的な捉えを認め、正しい知識に基づいた療育対応ができるようにする、4)障害の診断時の気持ち、関係機関・職種に対する思いを受け止める、5)関係機関・職種の支援方針を理解して、より専門的な療育支援サービスを継続利用できるようにする、6)健診や予防接種、医療機関定期受診の機会と特徴を事後支援に活用する、7)ケア会議で関係職種と育児者とで支援の方向性を統一する、8)療育関係機関・職種へのつなぎ方と、適切な時期について検討する、となった。 この支援指針を評価するため、またより多くの市町村の保健師の意見を得るために、リカート式と自由記述の質問紙調査を郵送法により実施した。東日本大震災被災地(岩手・宮城・福島)を除く全国市役所・町村役場1,650の母子保健担当者に送付し、昨年度末までに754件の回答を得たところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発達障害児支援の先進地として五歳児健診を実施している自治体(長野、鳥取、栃木)で、母子保健活動を担っている保健師(7名)による支援過程を調査した。保健師の意図295件、保健師の行為1,576件を記述・内容整理・分析し、支援指針も検討でき、理論的飽和も近いと考えられた。あと2~3人のデータを得たいところであるが、並行してリカート式質問紙の作成に入れると判断でき、各自治体母子保健担当者に質問紙を配布し回収も終えている。今年度は、入力・集計・分析をし、学会等で成果報告できる見込みである。 以上は当初計画どおりの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 発達障害の可能性を危惧した「気になる子ども」と育児者への家庭訪問援助の方法の調査:今年度はあと保健師(2~3名)による支援過程を調査する。 (2)発達障害の早期対応・子ども虐待防止のための指針の評価:最終年度であり、これまでの分析結果と個別支援指針についての評価のため、全国市町村の母子保健担当者の指針案に対する認識についてリカート式質問紙調査を実施したので、入力・集計分析し、学会等で成果報告する。 (3) 上記評価に基づき、家庭訪問を中心とした個別支援による、発達障害の早期対応・子ども虐待防止のための指針を再検討:保健師の行為と、その行為を方向づける意図の分析で、家庭訪問を中心とした個別支援の性質を概観して取り出し、有効な看護援助を明確にし、発達障害の早期対応・子ども虐待防止のための指針を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙調査を郵送法で実施したところ、印刷と封筒入れ作業を同じ業者に委託したこと、発送を「ゆうメール特約」を利用したことによる大幅な経費節減ができた。この分は、データ入力作業委託を充実させる経費に充てたい。 概ね順調に進んだが、\135,359の繰越金が生じた。 (1)追加の調査のための旅費と謝品、データ記憶用機器購入費;国内旅費(1ヶ所×@50千円)、調査協力の保健師謝品(2人×@5千円)、ハードディスク(1個×@50千円) (2) 「家庭訪問を中心とした個別支援による発達障害の早期対応・子ども虐待防止のための指針」を検討と案の作成で、指針案を評価するための有識者謝金と旅費;有識者謝品(2人×@10千円) 、国内旅費(1ヶ所×1回×@50千円)、国外旅費オレゴン大学(1ヶ所×1回×@250千円) (3) 指針案を評価するため、リカート式質問紙調査の入力・集計のための委託費 (1式×@150千円) (4)成果報告のための学会参加費と旅費;国内学会 (1回×@40, 1ヶ所×@50千円) ヒューマンケアリング国際学会 京都 5月24-28日 (5) 考察等に必要な文献・図書購入(1式×@65千円)
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Research Products
(5 results)