2013 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者の排便ケアの質の向上を目指した地域包括的排便ケア支援システムの開発
Project/Area Number |
24593433
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
榊原 千秋 金沢大学, 保健学系, 助教 (20367501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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Keywords | 排便ケア / 要介護高齢者 / 地域包括的 / システム開発 / 人材育成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、要介護高齢者の排便ケアの質の向上を目指し地域の包括的排便ケア支援システムを構築することである。 本年度は、地域の課題に対応した排便ケアに取り組める排便ケアリーダー(POOマスター)の育成と排便ケアのスペシャリスト(排便ケアアドバイザー)からなる排便ケア支援専門職チームを設置を行った。 【対象】POOマスターは、石川県内の病院・高齢者入所施設・訪問看護ステーションの計238か所に研究協力を依頼し、12か所から同意を得た、24名(看護師16・介護職7・理学療法士1)で、平均年齢43.4歳、経験年数18.2年だった。 【方法】ソフトシステムズ方法論を活用したグループワーク(GW)を軸としたOJTとOFF-JTを組み合わせた研修会を6回開催した。POOマスターは、所属施設と周辺地域の排便ケア改善計画を立案した。計画の実施にあたっては、医師・薬剤師・看護師等からなる排便ケア専門支援チーム(チームコロン)がサポートした。POOマスターの計画立案プロセス・実施状況と研究前後で学習状況を自記式質問紙調査した。本研究は金沢大学医学倫理審査委員会の承認を得た。 【結果・考察】研究前に排便ケアを学習していた者は38%だった。GWを通して、スタッフの排便ケアの知識不足により排便のアセスメントが不十分なまま下剤が使用されていたことが明らかとなった。POOマスターが立案した排便ケア改善計画は、施設の人材育成・地域の多職種との研修会・事例検討会の開催だった。計画の実施において、定期的にチームコロンの支援を得、事例検討・人材育成のための教材作成・排便ケアマニュアル・スタッフの意識の変化の調査と検討等の部会を形成したことは本研究の本年度の成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
育成した排便ケアリーダーは、予想以上に積極的に所属施設のみならず、施設を超えて研修できる場を作り、事例検討会や各施設の課題をディスカッションしている。また、事例検討・人材育成のための教材作成・排便ケアマニュアル・スタッフの意識調査の検討等の部会を形成し、調査用紙や教材やマニュアルが作成されていることは、当初の計画以上の成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、スタッフの意識調査の検証と「地域における排便ケア支援システムの構築と排便ケアのデータバンク化」を行う。排便ケアリーダーのかかわりにより、要介護高齢者の排便状態が改善した事例について、排便ケアアドバイザーが評価を行い、匿名化した上でデータバンク化する。地域の排便ケアシステムのモデルとデータバンク化した成果は、冊子にまとめ、各施設に配布するとともにホームページで公開する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ホームページの開設が遅れたことにより次年度使用額が生じた。 排便ケア支援専門家チームの研究者会議の旅費が必要である。調査用紙の印刷費と郵送費が必要である。収集したデータの解析専用パーソナルコンピューターと解析ソフトの購入、及び調査用紙の郵送作業等の補助者への謝金が必要である。 排便ケアリーダー養成研修会のフォローアップ研修の講師の旅費と研修会の資料作成のための印刷費が必要である。調査用紙の入力作業等の補助者への謝金が必要である。 データバンク化、のための補助者への謝金が必要である。ホームページ作成及び開設費が必要である。マニュアルを冊子化するための印刷費が必要である。
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Research Products
(2 results)