2014 Fiscal Year Research-status Report
3歳児と母親が健康な食生活を形成していくための家族支援プログラムの開発
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24593457
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
針金 佳代子 天使大学, 看護栄養学部, 准教授 (80347822)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 3歳児 / 食生活 / 母親 / 伝承 / 家族機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次調査で協力してくれた北海道内20名の母親を対象に、子どもの食生活および食問題に関する認識、実母からの食生活の伝承と実施の有無および家族機能との関連などについてインタビューを実施し質的に分析した。その結果、実母から手作りの大切さとバランスの良い食事をつくること、食事のしつけなどが伝承され実践している母親、実母から伝承されたことを姑や夫との関係で実践できない母親、実母から伝承された記憶がほとんどない母親のタイプに分けられた。子どもの食生活の問題は、実母から伝承された内容と母親以外の家族成員の要因(姑や夫の食生活)が影響していた。現在、学会に報告を準備している。 上記のうち、工業都市である苫小牧市に居住する母親の中でも、子どもに食生活問題(特におやつの与え方)を抱えている親子に対するグループ支援を行い、支援プログラムの有効性を検討した。6事例のうち、2組6名の親子が参加した(当日子どもの発症などの理由で欠席したいずれの母親も参加したかったと連絡があった)。参加した事例は、母親以外の家族成員の影響により「子どもの小食である」、「野菜嫌い」などの食問題が生じている家族であった。母親の年齢は両者とも30代で、有職者と主婦であった。テーマは「親子で楽しく作れる野菜たっぷりおやつに挑戦しよう」とし、日頃のおやつを含めての子どもの食生活に対する認識、困っていること、工夫していることなどを自由に話し合い、その後、調理実習を行った。終了後のアンケートの結果では「他のおかあさんの工夫や頑張りが分かり、とても感心した」「楽しくて時間が足りなかった」「子どもの気づかない成長が分かり、頼もしかった」「もっと他のお母さんのお話が聞きたい」というもので、支援プログラムの有効性が示唆された。現在は、健康学習支援評価基準に則り、評価中である。次回は、農業を主産業とする町で、同様に支援を行い、評価を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・研究者が所属する領域の教員数が定員に満たないため、教育運営(大学院・学部)に多大な時間を割くことになった。 ・グループ支援プログラム開発の協力者間で、開催時間や場所の調整に時間が必要で、予定どおりに実施することが困難であった。 ・研究者は、子どもの健康に影響する要因として本研究の家族機能以外に、地球温暖化の影響を受けている可能性が高い気温を考えている。以下のテーマで博士論文を執筆する時期と本研究が一時重った。 The role of temperature in reported chickenpox cases from 2000 to 2011 in Japan Epidemiol. Infect., Page 1 of 13. © Cambridge University Press 2015 doi:10.1017/S095026881400363X ・研究者に家族の介護・育児役割が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.2次調査を学会報告する。2016年1月日本公衆衛生看護学会にて報告する。 2.これまで学会報告してきた抄録をを論文として、日本公衆衛生看護学会、日本家族看護学会等の学会誌に投稿する。2016年3月に投稿予定。 3.グループ支援での支援プログラムの開発(5月~6月)8月にプログラム作成。 4.家族単位での支援プログラムの開発(7月~9月)10月に開発予定。 この間、参考となる活動をしている自治体(国内外)などを視察する。 5.3.4を学会報告し、学術誌に投稿する。最終報告書を作成する。
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Causes of Carryover |
1.グループ・家族支援プログラム作成:当初予定していた苫小牧市でのグループ支援の実施日に、参加予定であった5組の内、3組のお子さんが体調不良のため欠席の連絡があり、結果として2組の参加で実施した。そのため、改めて農村部である厚真町の母子を対象に同様のグループ支援を実施しプログラム開発する。家族支援プログラムは、グループ支援との関係も踏まえ検討する必要があるため、2015年度も継続して実施する。2.国内外視察:幼児期の健康な食生活を家族単位で支援している国内外の自治体を視察し、成果と課題を確認し、考察に活かす。3.学会報告:日本公衆衛生学会に報告。学術雑誌の投稿:日本公衆衛生学会、日本家族看護学会に投稿。4.報告書はそれらの結果も踏まえて作成する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.2015年5月~9月・グループ支援メンバーへ連絡通信費、会場使用料、メンバーへの協力への謝礼、保育士への謝礼、おやつ作りの材料費と調理指導の管理栄養士への謝礼、教材としての絵本購入費用・家庭訪問のための経費、母親への謝礼など 2.2015年7月~10月:旅費、謝礼 3.学会報告:2016年1月、学術雑誌投稿:2016年2月~3月 4.時期:2016年3月
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Research Products
(2 results)